わずか1カ月でまた壊れた証券市場…米国発「景気低迷の恐怖」再襲撃

投稿者: | 2024年9月5日

 8月2日、米国の7月の失業率が4.3%となり、2021年10月以降で最高値に上昇したという米国労働省の発表後、世界の株式市場に投げ売りを引き起こした「米国の景気沈滞の恐怖」が3日(現地時間)、米国製造業景気指標の発表とともによみがえった。ニューヨーク証券取引所のナスダック指数は3.26%下落し、4日に開かれたアジア市場では、日本の日経225指数が4.24%、韓国のコスピ指数が3.15%急落した。市場では6日に発表予定の米国の失業率指標に神経を尖らせている。

 この日の株価急落は、米国の供給管理協会(ISM)が発表した8月の製造業購買管理者指数(PMI)が引き金となった。市場の予想値(47.5)に達しない47.2だった。この指標は、50より高ければ景気拡大、50より低ければ萎縮を意味するが、5カ月連続で50を下回り、製造業の景気の萎縮局面が続いていることを示した。S&Pグローバルが発表した8月の米国製造業購買管理者指数も47.9で、前月(49.6)に比べて低かった。

 8月初めには、7月の製造業指標の悪化に続き、失業率が前月の4.1%から4.3%に上昇したことが確認されると、いわゆる「サーム・ルール」(失業率の3カ月平均が直近の12カ月の最低値より0.5ポイント高い場合、景気低迷のリスクが高まるという意味)が現実化しているという懸念が広がり、株価が暴落した。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が、サーム・ルールを満たしても必ずしも景気低迷が来るわけではないする立場を表明し、7月に米国のテキサス一帯を強打したハリケーンなどによる一時的な現象とみる分析が出てくると、沈滞への懸念が消えた。その後、株価は下落幅をほぼ回復したが、3日の製造業指標が「ブラック・マンデー」のトラウマを復活させたかたちだ。

 米国証券市場では、成長期待感によって株価が大幅に上昇した人工知能(AI)半導体企業のエヌビディア(-9.53%)、韓国証券市場ではSKハイニックス(-8.02%)、サムスン電子(-3.45%)が大きく下げた。有価証券市場では、外国人は9862億ウォン(約1100億円)、機関投資家は7307億ウォン(約790億円)分を売り越した。

 主要経済指標の予測プラットホームであるトレーディング・エコノミックスは8月、米国の失業率に対する市場期待値を4.2%と集計している。先月より0.1ポイント低い値だ。予測値を下回り、「サームの指標」がふたたび0.5ポイントより下がれば、市場の沈滞への懸念は多少は解消される。しかし、期待値を上回る4.3%と集計され、ふたたびサーム・ルールを満たすことになれば、もう一度市場が揺れ動くことになりうる。

 6日に発表される雇用指標は、FRBの政策金利の引き下げ幅を左右する核心要素ともみられている。FRBが17~18日に開かれる連邦公開市場委員会での政策金利引き下げを事実上予告している状況のもとで、専門家らは、雇用指標が予想より悪い場合、FRBが「ビッグカット」(50bp引き下げ)を敢行する可能性があると予想している。

 シカゴ商品取引所(CME)がフェデラルファンド金利の先物市場の価格指標を活用してFRBの基準金利変動幅を予測するフェドウォッチによると、8月30日に30%となった「ビッグカット」の確率が3日には40%台に上昇した。

2024/09/04 20:08
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/51022.html

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