専門家は特に両首脳が安保協力問題で相当部分で利害が一致すると予想した。尹大統領はもちろん、石破首相も繰り返し韓米日安全保障協力を強調して、北朝鮮に対して強硬基調を帯びているためだ。これに伴い、尹大統領と米国のバイデン大統領、岸田前首相が昨年8月「キャンプデービッド精神」を通じて枠組みをつくった韓米日安保協力にさらにはずみがつくだろうとの展望が出ている。
韓国国防外交協会のクォン・テファン会長(予備役陸軍准将)は「ウクライナ戦争とガザ地区戦争が続く状況で、地域安定化に向けてキャンプ デービッド精神からもう一歩踏み出した協力の具体化が重要だ」とし「北朝鮮の核など韓日両国が感じる脅威の実体が似ているため、両国首脳が実質的な協力を実現させていくために努力するだろう」と話した。
尹大統領が今年8月15日の光復節(解放記念日)に発表した「8・15統一ドクトリン」も韓米日安保協力と無関係ではないという見方もある。クォン氏は「3国が『自由で平和な統一韓半島(朝鮮半島)』に初めて言及したのがキャンプデービッド精神」としながら「日本の立場から見て、『8・15統一ドクトリン』も指向するところは同じ」と指摘した。この日、韓日国防相は画像会談を通してこのような両国間の安保協力に対する意志を強調した。
尹大統領はこの日午前には韓・ASEAN首脳会議を主宰して「韓国とASEANは協力を一層飛躍させるために包括的戦略パートナー関係(CSP)を樹立する」とし「最高段階のパートナーシップを基に、韓国とASEANは新たな未来の歴史を共に綴っていくだろう」と明らかにした。尹大統領の訪問を機に韓国とASEANは2010年「戦略的パートナー関係」を樹立してから14年ぶりに関係を格上げすることになった。
尹大統領は3年連続ASEAN首脳会議に出席し、北朝鮮と長年にわたり親善関係を結んできたASEAN諸国に注力してきた。尹大統領は会議の冒頭発言では「韓国はASEANと共同繁栄のパートナーとして全方向的かつ包括的な協力を推進していく」とし「教育と投資中心の協力を人工知能(AI)、スマートシティのような未来分野に拡張し、国防協力を発展させてASEANサイバー安保力量の強化に寄与していく」と述べた。
尹大統領はASEAN国家に8・15統一ドクトリンへの支持を要請し、「北朝鮮の核脅威が存在する限り、韓国とASEANの真の平和は達成できない」とし「北朝鮮挑発を容認しないという団結した意志と行動だけが地域内の平和を保障することができる」と強調した。この日採択された「韓・ASEAN包括的戦略パートナー関係樹立に関する共同声明」には、非核と平和、繁栄の韓半島および8・15ドクトリンに対するASEANの支持とともに、南シナ海内の航行と上空の自由増進の重要性などに対する内容が入った。
尹大統領は続いてASEANプラス3(韓日中)首脳会議に出席し、北朝鮮の挑発を糾弾して、5月ソウルで開かれた韓日中首脳会議を機に3国協力を再稼働する「ASEANプラス3協力」飛躍元年を宣言した。5月ソウルで会った中国の李強首相とも再会した。ただし、今後習近平国家主席との会談を考慮し、別途の韓中会談は行っていない。
尹大統領はASEAN首脳会議主催国であるラオスをはじめ、ベトナム・カナダ・タイの首脳とも二者会談を持ち、貿易投資およびクリーンエネルギー、軍事協力などを議論してセールス外交を繰り広げた。尹大統領は11日のASEANプラス3に加えてオーストラリアとニュージーランド、インドなど東アジア国家が参加する東アジア首脳会議(EAS)に出席した後、帰国の途につく。
2024/10/11 09:06
https://japanese.joins.com/JArticle/324808