「ソウルは安全なのか」海外でもっと心配…バリューアップを水の泡にした戒厳ショック

投稿者: | 2024年12月5日

韓国IT企業の海外事業パートチーム長のパクさんは3日夜10時ごろ就寝したが、スマートフォンの相次ぐショートメッセージ受信音に深夜0時ごろに眠りから覚めた。取引先である日本企業の担当者からの連絡だった。「家で安全にしているか」「5日後の日本での会議はできるのか」などの内容だった。パクさんは「韓国の非常戒厳宣布の知らせを聞いた海外の取引先が不安に感じており、戒厳が解除されたとしても当惑し将来が心配になる」と話した。

昨夜の「6時間戒厳令」に財界は難色だ。内外で経済不確実性が大きくなり、投資計画など来年の経営戦略を立てるのに困難を経験する状況でとんでもない突発変数まで生じたからだ。主要企業の役員社員はほとんどのまともに寝られず、夜中に状況把握と対応に向け神経を尖らせた。サムスン、SK、HD現代など主要企業はほとんどが4日午前に経営陣会議を開いた。株価と為替相場変動にともなうリスク点検から対応まで議論されたが、企業が対応策を出せる状況ではない。大韓商工会議所やKOTRAなども同様だ。

 輸出の割合が大きい企業の心配が大きい。揺れる為替相場は収益と直結する上に株価下落の打撃も懸念しなければならないためだ。何より海外バイヤーが韓国情勢を不安に感じ受注に否定的な影響を及ぼさないか戦々恐々としている。ある財界関係者は「政治が経済を振り回す現象のポリコノミーが絶頂に達したのが戒厳宣布と解除事態だが、企業はただ見守るしかなくもどかしい」と話した。

企業が感じる経済状況は厳しいだ。来年1月に第2次トランプ政権が発足すれば過去最も強力な米国の自国利益中心通商政策と対中圧力が予想される。関税を前面に出した米国の保護貿易主義基調は韓国の輸出に直撃弾だ。ここに対中圧力レベルを高めている米国の基調により半導体業界は対中輸出の道が閉ざされた状態だ。

東南アジアや欧州などに輸出の活路を広げるために力を入れている状況で国の信用度を落とす状況は企業活動に障害となる。大韓商工会議所のパク・イルジュン常勤副会長は「主要企業は海外にカウンターパートナーが多いが、『契約は正常に進められるのか』という心配と懸念が大きい。企業が早く状況を把握し対応できるよう政府で速やかに疎通し安定を取り戻すよう努力しなければならない」と話した。

韓国証券市場が低評価される「コリアディスカウント」の解消に向けた企業バリューアップ努力が水の泡になったという嘆きも出ている。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は韓国株式市場育成を公約に掲げコリアディスカウント解消に向けた企業バリューアッププログラムを推進した。韓国の経済規模は世界13位で先進国の隊列に上ったが、株式市場は中国、インド、インドネシア、ブラジルのような新興市場に分類されている。企業も政府の旗印により自己株式消却、配当拡大のような株主還元策を出した。例えば先月サムスン電子は1年間に10兆ウォンの自社株を買い取り消却すると発表した。

だが4日の1日だけで主要企業の株価はほとんどが下落した。外国人投資家が4000億ウォン以上を売り越した。「これまでの努力が無駄になった」という嘆きが出ている理由だ。高麗(コリョ)大学経営学科のチョ・ミョンヒョン教授は「株価は企業の業績だけでなくマクロ的環境と企業の株価浮揚の意志が合わさってこそバリューアップできるが、いまは韓国企業が戒厳発の打撃を避けにくそうに見える。株式市場は不確実性を最も警戒するだけに収拾に集中しなければならない」と懸念する。

2024/12/05 08:43
https://japanese.joins.com/JArticle/327048

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