米専門家「戒厳事態、韓米関係を揺るがす『パーフェクトストーム』につながる恐れ」

投稿者: | 2024年12月11日

米国外交の代表的な「韓国通」に挙げられるエバンズ・リビア元米筆頭国務次官補代理(東アジア・太平洋補担当)が「12月3日の戒厳事態は韓米関係の根源的な危機を意味するパーフェクトストーム(Perfect Storm)のきっかけになりかけない」と懸念した。

リビア氏は9日(現地時間)、中央日報の書面インタビューで「韓米同盟に懐疑的なトランプ政権の発足を控え、韓国では戒厳事態で反米的な見解を持つ政治集団が出てくる可能性が生じた」とし「ワシントンとソウルのこうしたリーダーシップの組み合わせは、韓米関係の根幹を揺るがすパーフェクトストームになる恐れがある」と述べた。

 –戒厳事態が招いた結果をどうみているのか。

「韓国で新しい大統領を選出する過程で、今まで韓米が構築した同盟と北朝鮮問題の連携強化、米韓日の連携、権威主義に対抗する韓国の役割など新しい同盟の価値に否定的な世論が増幅され、これを前に出す集団の執権につながる可能性が高まった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の戒厳令宣言はこうした憂慮の『種』をまいたという意味がある」

–米国では来月、トランプ政権が発足する。

「その時点がさらに大きな問題だ。米国の次期大統領は韓米が共有する核心価値と米国のグローバルリーダーシップに関心がなく、外交を完全に取引の観点で接近する可能性が高い。苦労して一段階高めた両国の同盟が極端な摩擦様相に展開することもあり得る。これが私が話すパーフェクトストームだ」

リビア氏は駐韓米国副大使など国務省外交官を経てコリアソサエティー会長を務めた韓国専門家だ。トランプ政権の発足を控え、最近は在米韓国大使館と諮問契約を結んだDGAグループのコンサルティング会社オルブライト・ストーンブリッジの首席局長として韓国などアジアイシューを主導している。

–戒厳令宣言と弾劾訴追案の否決をどう評価するか。

「釈然としない理由で宣言された戒厳令と特殊部隊の国会占拠、与党代表まで逮捕リストに含めたという内容などは韓国の民主主義に対する国際的な名声を毀損した。特に韓国を権威主義に対抗するアジアの橋頭堡と考えてきた米国の根本的な信頼を損傷させたという点は痛恨だ。与党の弾劾案議決ボイコットは尹大統領が自ら辞任する時間を稼ぐための目的として予想された結果だ。ただ、野党が予告したように弾劾案表決が毎週続けば政治・外交的危機が高まるだろう」

–どのような形の結論が望ましいと考えるか。

「戒厳令宣言が憲法的論争になったため、解決方法も憲法的な価値に基づかなければいけない。こうした側面で韓東勲(ハン・ドンフン)国民の力代表と韓悳洙(ハン・ドクス)首相が尹大統領の去就が決まっていない状態で大統領の権限の一部を制限したと解釈されるような発言をするのは望ましくない。韓悳洙首相は個人的にもよく知っている。尹大統領の『秩序ある辞任』が実現する場合、安定的に状況を管理できる有能な人事と考える」

–現在の時点でどのような努力が必要か。

「両国の政治地形上、今後の数カ月間、韓米関係は困難な状況を迎える可能性が高い。したがってワシントンとソウルの責任ある高官がこの期間、両国が達成した全分野の成果を保存するために突発状況を避けながら深い意思疎通を続けるしかない。トランプ政権になっても韓米同盟の重要性が一瞬で崩れることがないようにしなければいけない」

2024/12/11 08:56
https://japanese.joins.com/JArticle/327260

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