低金利で円を借り海外資産に投資する円キャリートレード解消の恐怖が再び拡大している。米連邦準備制度理事会(FRB)が今月利下げに踏み切る可能性が大きい中で、日本銀行は反対に利上げを準備しているからだ。弾劾政局の直撃弾を受けた韓国の資本市場で外国人資金離脱傾向が速まるかもしれないとの懸念が出ている。
日本銀行は18~19日に今年最後の金融政策決定会議で利上げの可否を決める。日本銀行の利上げの可能性はまだはっきりしない。ただ最近の経済指標はいずれも利上げを示している。10日に発表された日本の先月の生産者物価指数は前年同月比3.7%上がり、10月の3.6%より上昇幅が小幅に拡大した。
これより先に発表された先月の東京都の消費者物価指数も前年同月比2.2%上がり日本銀行の物価上昇率目標値の2%を上回った。最近発表された7-9月期の日本の経済成長率も年率換算1.2%に修正され、先月発表した速報値の0.9%を大きく上回った。日本銀行の植田和男総裁は先月30日の日本経済新聞とのインタビューで、物価上昇率が2%に向かって着実に上がるという確実性が大きくなれば適当なタイミングで金融緩和水準を調整するだろうと明らかにした。
米国の利下げの確率が高い点も日本銀行の利上げをあおる要素だ。弾劾政局で不確実性が大きくなった韓国経済に円キャリートレード解消が再び進むならば、金融不確実性が急激に大きくなりかねない。韓国銀行の分析によると円キャリートレードの推定残高は506兆6000億円で、このうち日本銀行の利上げにより巻き戻される可能性が大きい資金は32兆7000億円だ。金融市場の不確実性を拡大する要因として十分な規模だ。
外国人資金離脱を防がなければならない韓国政府と韓国銀行にこれといった使えるカードがない点は悩みだ。韓国銀行は弾劾政局でさらに振るわなくなった内需を浮揚するために高い金利を固守し続けるのは難しい。政府と韓国銀行が景気浮揚に出るほかないという認識が拡散すれば、円キャリートレード解消の衝撃も大きくなりかねない。大信証券のイ・ジュウォン研究員は「8月のような急激な円キャリートレード解消と市場変動性拡大の可能性は限定的かもしれないが、まだ日本人の円キャリーは残っているだけに追加解消が現れる可能性を排除することはできない」と予想した。
2024/12/15 12:04
https://japanese.joins.com/JArticle/327398