米国がアジア太平洋地域にミサイルを配備した場合、ロシアも核抑止力を含めあらゆる対応に出ると、ロシア外務省のグリゴリー・マシュコフ特使(不拡散・輸出統制担当)が6日に明らかにした。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は政権5期目の就任式を翌日に控えた同日、ロシア軍に戦術核兵器の演習を指示したことを異例にも公開した。
マシュコフ特使は同日、ロシア国営の「RIAノーボスチ通信」とのインタビューで、米国が年末までにアジア太平洋地域に中・短距離ミサイルの配備を目指す計画を表明したとして、「これは世界の安定に良い兆候ではないことは明らかだ」と述べた。また「米国の計画が実行された場合、必然的に強力な波のような多国間ミサイル軍備競争を誘発し、ここにはあらゆる代償が伴うだろう」と警告した。「我々は我々の安保に対する新たな脅威に対応し、必要ならば核抑止分野を含め必要なあらゆる措置を取らなければならない」と強調した。
これに先立ち先月、チャールズ・フリン米陸軍太平洋司令官は日本メディアに会い、「中距離能力を備えた発射装置が近いうちに(アジア太平洋)地域に配備される」と明らかにした。米軍が地上発射型の中距離ミサイルを新たに配備すれば、米国が旧ソ連と1987年12月に射程500~5500キロメートルの中短距離弾道・巡航ミサイルの生産・実験・配備を全面禁止する中距離核戦力全廃条約(INF)を締結して以来、初めてのことになるが、ロシアはこのような動きの牽制に乗り出したのだ。
ロシア国防省は同日、プーチン大統領の指示で比較的に限られた地域の破壊を目的とする戦術核兵器の演習準備を始めたと発表した。ロシア国防省は「戦闘任務の遂行に向けた戦術核兵器の準備態勢を高めるため、総参謀部は南部軍管区のミサイル編隊とともに演習を実施する準備に入った」と明らかにした。ロシア軍は戦略核兵器演習を定期的に行い、それを公開してきたが、戦術核兵兵器を公開するのは今回が初めて。これは、フフランスの核兵器を欧州安保のために使用できるというエマニュエル・マクロン大統領の発言などへの反発とみられる。ロシア南部軍管区はロシア南部地域とドネツクやルハンスク、ザポリージャ、ヘルソンなどウクライナ占領地などを管轄する
プーチン大統領は7日、モスクワのクレムリン宮のアンドレーエフスキーホールで就任式を行い、政権5期目を始める。プーチン1人終身執権体制に一歩近づいた中で、「強いロシアの復活」の一環であるウクライナ戦争に向けた攻勢も大幅に強化される見通しだ。
2024/05/06 20:00
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