北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が創立80周年を迎えた金日成(キム・イルソン)政治大学を訪問し、「思想がない武装は金属にすぎない」と強調した。2021年1月の第8回党大会で提示した「経済・国防5カ年計画」の達成に核心的な役割を担う軍を激励すると同時に、ロシア派兵による動揺を遮断しようという意図と解釈される。
労働新聞は25日、金正恩委員長が前日に金日成政治大学を訪問して行った演説で「軍隊を軍事技術的に武装させる前に、思想的に武装させるのが軍の建設で中核だ」とし、軍人・武器・思想を「武装力の3大要素」と新たに規定した。
続いて「(北朝鮮軍が)世界で最も強い軍隊にならなければいけない」と注文し「思想がない武装は金属にすぎず、軍隊の政治的力量を優先的に、質的に強化するところに強軍建設の基本方途がある」と強調した。
専門家らはウクライナへの派兵状況で軍を引き締める意図が反映されたのではと分析している。統一研究院のホン・ミン研究委員は「派兵の余波を管理する軍内の思想事業を強調してきた最近の基調の連続線上にある」とし「戦闘現場・実戦での政治的指導に対する関心を反映したとみられる」と述べた。
特に労働新聞がこの日に公開した写真によると、金正恩委員長が出席した中「機械化歩兵旅団の攻撃戦闘時の党政治事業」をテーマに進行した討論授業で、学生たちがコンピューター画面に慶尚南道泗川(サチョン)にある泗川飛行場一帯の地図を映し出している場面が含まれていた。ホン・ミン研究委員は「泗川市にはK-21戦闘機の実験・訓練を行う高等飛行場がある」とし「標的として韓国の宇宙産業ベルトを想定しておき、戦闘状況を仮定した討論を進めたとみられる」と説明した。
1945年11月に設立された金日成政治大学は幹部将兵に対する思想教育と党組織の運営を担当する最精鋭政治将校を専門的に教育する機関。
こうした中、北朝鮮は李煕用(イ・ヒヨン)労働党書記(党幹部部長)を団長とする代表団をロシアに派遣した。同紙はこの日、「労働党代表団がロシア政党『統一ロシア』指導部の招請でロシアを訪問するため24日に平壌(ピョンヤン)を出発した」と伝えた。北朝鮮がロシアに大規模な兵力を派兵しただけに、米国の主導で行われている終戦交渉の雰囲気を把握し、関連対策をロシア側と議論するとみられるというのが、専門家らの分析だ。
一方、北朝鮮は最近、日本海上自衛隊がアジア太平洋地域で米国、フランスの軍と共同訓練を実施したことについて「いつよりも発狂している」と非難した。労働新聞はこの日、「第2の大東亜戦争は決して許されない」と題した朝鮮中央通信論評を掲載し、「軍国主義者らの海外侵略野望が本格的な実行段階に入っていることを示唆する」と主張した。
続いて「(日本は)米日韓3者軍事同盟体制を機軸とするアジア版NATOとNATO構成国との軍事協力関係を構築しようとする米国の策動に便乗し、誰よりも過激だ」と指摘し、「大東亜共栄圏の過去の夢をかなえるために第2の大東亜戦争を勃発させようとするのは決して許さない」と警告した。
2025/02/25 15:00
https://japanese.joins.com/JArticle/330355