米国とウクライナの首脳会談が決裂し、欧州諸国から独自の「核シェアリング」発言が出たことで、韓国野党・共に民主党では「独自の核能力確保論」が浮上している。共に民主党の代表的外交安保通とされる魏聖洛(ウィ・ソンラク)議員は「核潜在力に向けた議論をしっかり取りまとめ、政策の方向性を定めねばならない」と述べた。韓国の情報機関である国家情報院で次長を務めた同党の朴善源(パク・ソンウォン)議員も「今やわれわれも核武装について議論すべき時を迎えた」と発言した。
共に民主党はこれまで核武装や戦術核搬入などの議論を最初からタブーとしてきた。李在明(イ・ジェミョン)代表がまさにそうだった。ところが大国との安全保障の約束を信じて2000発以上の核兵器を放棄したウクライナがロシア軍の侵攻で領土を奪われ、米国からも無視される事態に直面したことから、核潜在力だけでも確保すべきとの声が高まっているのだ。
核潜在力とは核兵器開発ではないが、いつでも核武装が可能な能力を確保するという意味だ。その代表的な国が日本だ。日本は1989年の米日原子力協定改正により再処理や濃縮の権限を確保した。日本が再処理を通じて抽出したプルトニウムは47トン以上に達し、有事には直ちに核武装が可能だ。現在韓国は再処理の権限がなく、ウラン濃縮も制限されている。
韓国の核潜在力は米国にもプラスになる。米国の非拡散政策と正面から対立しない一方で、中国やロシア、北朝鮮に対しては抑止力にもなるからだ。トランプ大統領は「韓国と日本の独自の核兵器保有にはオープンの考えを持っている」と発言したことがある。ロシアは北朝鮮の核兵器開発を容認し、トランプ政権からも北朝鮮を核保有国と見なす発言が出ている。共に民主党議員らが核潜在力確保の声を上げたことは非常に前向きな変化だ。与野党は一致して核潜在力確保を国論とすべきだ。
2025/03/05 09:20
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