米国トランプ政府の輸入産自動車・鉄鋼に対する25%関税賦課を控えて韓国政界の対応が忙しい。野党「共に民主党」が電気自動車(EV)・グリーンスチールなどを多く生産する企業に法人税を減免する「戦略産業国内生産促進税制」(以下、生産促進税制)を推進しながらだ。
国会企画財政委員会所属のキム・ヨンジン民主党議員は6日、中央日報に「今月中に企画財政委員会所属議員室が生産促進税制をまとめた租税特例制限法改正案が発議される予定」と明らかにした。
ドナルド・トランプ大統領が輸入産自動車・鉄鋼に関税を賦課すれば国内輸出産業への打撃は避けられない。これに対して現代(ヒョンデ)自動車グループは米国ジョージア州新工場「メタプラント・アメリカ(HMGMA)」の生産規模を拡大し、現代製鉄も現地に製鉄所の建設を検討するなど米国内の増産を準備中だ。民主党のある議員は「生産促進税制は企業が国内生産を増やす誘因を提供して雇用を守る『韓国版インフレ抑制法(IRA)』」と紹介した。
民主党は電気自動車(EV)や二次電池、グリーンスチール、グリーン石油化学、持続可能な航空機燃料(SAF)、半導体など6分野に対する支援を検討中だ。該当分野の国内生産・販売量を増やせば、これに比例して今後10年間法人税を減免するというのが骨子だ。日本が昨年4月に施行した「戦略分野国内生産促進税制」と似ているが、法人税減免額も日本水準の最大40%前後で議論されている。該当企業が長年営業赤字を出しているなら税額控除額の一部を現金で支給する方案も検討している。民主党関係者は「われわれと似たような事情を抱える日本と減免額規模とほぼ同じ水準になるだろう」とした。ひとまず民主党の設計案には国内で最終消費された生産品だけを税額控除対象とし、輸出品は除外される。「内需振興という目的のため」(民主党補佐陣)という説明だ。
生産促進税制の導入に対しては期待と憂慮の声が交錯している。自国で生産されたEVに最大7500ドル(約110万円)の税額控除の恩恵を与える米国IRAは2022年施行1年ぶりに10万件の新規雇用を創出するほど肯定的な影響を与えたと分析される。制度の設計がしっかりと考えられたものなら国内生産を増やす誘因になるという意味だ。日本の場合、昨年制度が施行されたものの、まだ効果の集計には至っていない。
業界では「効果が期待に及ばない」という見解もある。環境部によると、昨年国内EV普及台数は14万6737台で、前年(16万2605台)比9.8%減少した。海外販売分に対するインセンティブがなければ実効性が落ちる場合があるということだ。
韓国自動車研究院のイ・ハング研究委員は「日本の場合、税額控除対象企業に選ばれるために人件費を前年比1%以上増やさなければならないなどさまざまな条件がある」とし「このような条件を合わせてみると、かえって企業への負担が重くなる場合もある」と指摘した。匿名を求めた政府関係者は「生産促進税制が生産者に対する直接補助金に規定されれば、場合によっては米国はもちろん主要国家が問題視しかねないため慎重に扱われるだろう」としながら「米国の自動車・鉄鋼関税賦課の有無が決定される4月以降に国会で議論されれば米国との交渉に助けになるだろう」と話した。
2025/03/07 14:19
https://japanese.joins.com/JArticle/330844