「現代自動車は米国で生産した鉄鋼で自動車を作る。(米国で生産した自動車は)関税を出さなくても良い」。
トランプ米大統領は24日、ホワイトハウスで現代自動車グループの鄭義宣(チョン・ウィソン)会長の横に立ちこのように話した。現代自動車がこの日210億ドル(約3兆1667億円)規模の対米投資を決めたことへの反応だ。
トランプ大統領は続けて、現代自動車の大規模投資決定について「関税が強力に役割をしていることを見せる証拠」とした。その上で鄭会長に向かって「もし許認可問題で問題が生じたら私を訪ねなさい。私が解決してあげよう」としながら微笑を浮かべた。
◇鄭会長「米国の鉄鋼と自動車供給網強化」
トランプ大統領の紹介でホワイトハウスのマイクの前に立った鄭会長は、「今後4年間(米国に)210億ドル規模の新規投資を喜ばしい気持ちで発表する。核心は鉄鋼と部品、自動車に至る米国の自動車供給網強化」と話した。
この日現代自動車が公開した210億ドルの対米投資は自動車生産分野で86億ドル、部品・物流・鉄鋼分野で61億ドル、未来産業とエネルギー分野で63億ドルなど。鄭会長はこのうち現代製鉄が建設するルイジアナ製鉄所を強調し、30億ドルの米国産液化天然ガス(LNG)も購入すると話した。鉄鋼とエネルギーをはじめとする自動車生産の全過程を米国に構築するという意味だ。
鄭会長はその上で現代・起亜自動車の米国内生産を年間120万台に増やすと述べた。このため26日に竣工するジョージア州サバンナの現代自動車グループ・メタプラントアメリカ(HMGMA)の生産能力を30万台から50万台に拡大する計画だ。
◇米販売車両64%に「25%関税」危機
昨年現代・起亜自動車は米国で177万台を販売した。このうち米国内生産台数は35.6%の63万台だ。トランプ大統領の公言通り輸入車に25%の関税が課されればメキシコで生産した14万台(7.9%)と韓国で生産した100万台(56.5%)の114万台(64.4%)の価格が引き上げられ競争力を失うことになる。
もし現代自動車が米国で120万台を生産する場合、関税負担を避けられる量は67.8%となる。鄭会長はこの日「投資決定は2019年にソウルでトランプ大統領と会った席で始まった。大統領が直接現代自動車グループの最先端製造施設の1カ所を訪問し米国と米国の労働者に対する現代自動車の献身を直接確認してみることを望む」と話した。
これに対しトランプ大統領は「現代自動車は立派な会社。自動車(生産設備)が前例のない水準で米国に進出しており、他のものもそうなることを希望する」と話した。
◇自動車・半導体品目の関税先に出るか
現代自動車グループの投資発表はトランプ政権発足後、韓国企業で初めてだ。トランプ大統領は来月2日に各国の関税率と非関税障壁を考慮した相互関税発表を控えて鄭会長をホワイトハウスに招待した。
発表過程に関与した関係者によると、ホワイトハウスは投資計画発表時期と方法などをこの数日で決めて現代自動車に通知し、発表後は「現代自動車が韓国企業の投資に礎石となるよう願う」との反応を出した。
トランプ大統領はこの日発表の場で「今後数日中に追加で関税を発表する。これは自動車、木材、半導体と関連している。そして4月2日がくれば相互関税(発表)があるだろう」と話した。現代自動車の投資発表日程が自動車に対する品目関税発表を念頭に置いてなされたことを示唆する言葉とみられる。
◇相互関税のターゲットは避けられず…カギは関税率
米国の8大貿易赤字国の韓国は来月2日に発表される相互関税対象国に含まれる可能性が大きい。もし自動車と半導体に対する品目関税に相互関税まで追加される場合、韓国製品の価格競争力は急激に下落するとの懸念が出ている。
トランプ大統領は相互関税の関税率に対する質問を受けると「多くの国に免除を与える可能性もあり、(関税率は)相互的だが相手国よりも親切にすることもできる」として国ごとの状況と態度などにともなう一定水準の柔軟さを発揮できるという意向を明らかにした。
これに対し外交消息筋は「米国の主要貿易国のうち米国が黒字を出すオーストラリアを除けば中国、日本など韓国の競合国は関税対象から除外されにくいだろう。現実的に競合国より低い関税率を課されることが実質的課題」と伝えた。また、「もし競合国より低い関税率が課されれば相対的に競争力を確保することになる。ただ中国の迂回生産基地をはじめと韓国の生産拠点であるベトナムなどの関税率まで考慮しなければならないため相互関税率指定は世界的な貿易構造を揺さぶる複雑で致命的な方程式になるだろう」とした。
現代自動車の投資計画が発表されたこの日、ニューヨーク・タイムズは消息筋の話として「日本の自動車業界が関税免除に向けたロビー活動を行っているが成果を出せずにいる」と伝えた。同紙によると、ホワイトハウスは新規投資または既存投資案を再包装する案を持続的に要求しているが、日本企業は不確実性が大きい状況で大規模投資計画を出せずにいるという。
2025/03/25 16:58
https://japanese.joins.com/JArticle/331700