ネイバーとソフトバンクの「お別れ交渉」がかなり進展したことが分かった。8日、LINEヤフーの決算会見で経営陣の改編はもちろん、ソフトバンクとネイバーの両者間の持分調整交渉が進んでいること公開されたためだ。数カ月にわたり続いた日本の激しい「脱ネイバー」攻勢の中で、ネイバーが保有株式を適正価格でソフトバンクに売却できるかに注目が集まっている。
LINEヤフーの出澤剛最高経営者(CEO)は、取締役会の改編を発表した。取締役会は企業内の核心的な意思決定機構だ。現在より社内取締役を2人減らす一方、社外取締役を1人増やすのが主な内容だ。改編された取締役会ではソフトバンク側の川辺健太郎会長と出澤CEOだけが社内取締役を務める。唯一の韓国人社内取締役のシン・ジュンホ最高商品責任者(CPO)は退任が決まった。出澤CEOは取締役会を改編した理由として、「経営と執行の分離」と「社外取締役の拡大を通じた独立経営体制の構築」を掲げたが、実状は経営陣からネイバー側の人物を追い出したわけだ。
このような取締役会の変化はネイバー側とソフトバンク側間の「お別れ交渉」がかなり進んだことを意味する。両社はLINEヤフーの親会社であるAホールディングスの株式を半分ずつ保有している。ネイバーの同意なしにLINEヤフーの経営陣を改編することは不可能だ。
別れの次は所有権の調整だ。ソフトバンクがネイバーの保有する株式の買収することを骨子としたAホールディングスの持分調整がそれだ。出澤CEOはこの日、両社の持分調整交渉が行われている事実を電撃公開した。これを受け、市場の関心も株式売却の規模と価格に急速に移った。
ネイバーの事情に詳しいある関係者は「(核心経営事項である)定款の変更などを行うためには特別決議株式保有要件(議決権のある株式の3分の2)を満たさなければならない。これを念頭に置けばソフトバンクはネイバーの保有株式の中で少なくとも15%の獲得を目指すだろう」とし、「株式を買収する過程で支配権プレミアム(会社の株式を取得するにあたって、会社の支配権をも確保できる場合に、その支配権に着目して買収価格に上乗せして支払う付加価値)をめぐり、両側が激しい神経戦を繰り広げるだろう」と語った。
Aホールディングスの価値は20兆ウォン(約2兆2700億円)を上回る。支配権プレミアムを除いたネイバーの保有分の価値だけで10兆ウォン以上になるわけだ。出澤CEOがこの日、「安全なガバナンスの構築」、「行政指導にともなう要請」に言及したのは、セキュリティの強化と日本政府の行政指導をテコにネイバーの株式を安値で買おうとするソフトバンク側の思惑を表わしたものとみられる。これに対し、国内業界では適正水準の支配権プレミアムをもらわなければ、売却交渉をネイバーが中断する可能性もあるという話もある。
ネイバー側は「中長期的な事業戦略に基づいて決める問題だ。内部的に検討している」とし、株式売却交渉については慎重な態度を示した。イ・ジョンホ科学技術情報通信部長官は同日の記者懇談会で「ネイバーの経営的判断を尊重する」と述べた。9日に予定されたソフトバンクの決算説明会では、株式売却交渉と関連したもう少し進展した内容が公開されるものとみられる。
2024/05/08 23:16
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/49953.html