人工島→軍事要塞化→「我が国の海」 南シナ海で言い張り続ける中国

投稿者: | 2025年4月22日

 中国はこの十数年間、南シナ海で石油ボーリング船設置・岩礁拡張工事・海底トンネル建設などを通じ、主要海路における影響力拡大を模索してきた。中国は南シナ海の面積の80%を自国の海洋領土だと主張し、日本・台湾・ベトナム・フィリピン・インドネシアなどと領有権争いを繰り広げている。

 中国は2014年、ベトナムの沿岸から130カイリ(約240キロメートル)離れたベトナムの排他的経済水域(EEZ)にボーリング船を一方的に設置した。ベトナム政府は直ちに「EEZと大陸棚で行われている中国の石油ボーリングは違法行為だ」として施設の撤去を要求した。しかし、中国外務省は「関連作業は完全に中国の西沙群島(英語名:パラセル諸島)海域内で進められている」と反論した。このため、ベトナムで大規模な反中デモが発生し、両国間の外交対立に飛び火したが、中国はボーリング施設を撤去することなく維持している。両国は競い合うようにしてボーリング施設を設置するなど、現在も神経戦を繰り広げている。だが、軍事的に優位な中国は戦闘機を出撃させたり、空母を動員した海上訓練を実施したりして、制海権を拡張している。

 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、中国は南シナ海のスプラトリー諸島(中国名:南沙群島、ベトナム名:チュオンサ群島)のサンゴ礁基盤の岩礁7カ所に人工島を作った後、軍事施設として利用しているという。中国はこれらの人工島を利用して大型海底トンネルまで建設すると言われている。

 中国は既に人工島7カ所に飛行場やミサイル発射台、航空機格納庫、レーダーシステムなどを含む軍事施設を建設している。スビ礁、ミスチーフ礁、ファイアリー・クロス礁についてはフィリピン・ベトナム・台湾も領有権を主張しているが、中国は人工島の軍事要塞化政策を推進し続けている。

 南シナ海でU字型に9つの線(九段線)を引いて領有権を主張してきた中国は、2016年に常設仲裁裁判所(PCA)が「国際法上の根拠がない」との判決を下したのにもかかわらず、南シナ海における影響力拡大戦略を推し進めている。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者

2025/04/22 09:40
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/04/22/2025042280032.html

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