「平和の少女像」南米へ…ブエノスアイレスで1カ月間展示

投稿者: | 2025年4月25日

 南米で初めて、「平和の少女像」(以下、少女像)が1カ月間にわたって展示される。世界最大の図書展の一つ、アルゼンチン国際図書展を訪れる人々に、日本軍「慰安婦」の真実を伝えるためだ。

 「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」は、24日(現地時間)から来月12日まで開催される「第40回ブエノスアイレス国際図書展」に少女像が展示されることを24日に明らかにした。南米で初めて展示される少女像となる。韓国のアルゼンチン移民60周年と日帝からの解放80周年を記念し、アルゼンチン韓人会が少女像の展示を主導した。今回の図書展にブースを設置して参加するアルゼンチン韓人会を代表し、チェ・ドソン会長(60)はハンギョレに、「欧州や他の南米諸国からの観覧客、学生など130万人が訪れるアルゼンチン最大の行事に少女像を設置すれば、波及力が大きいと思った」と話した。アルゼンチンの軍事独裁政権への抵抗活動で1980年にノーベル平和賞を受賞したアドルフォ・ペレス・エスキベルさんも、少女像の設置を支持してきた。

 1カ月という短い期間とはいえ、南米初の少女像の設置までの道のりは決して容易なものではなかった。2022年11月に正義記憶連帯は、ブエノスアイレスの「記憶の博物館(ESMA)」内の庭園「5月広場のおばあさんたち」の「記憶の家」に少女像を展示する予定だった。ESMAはアルゼンチンの軍部独裁の犠牲者を追悼する場で、軍部独裁時代には海軍士官学校として使われていた。独裁に反対する市民を逮捕して監禁・拷問した場所でもあり、ここで生まれた子どもは海外に送られたり殺害されたりした。民主化後、母・祖母の会が結成されて闘争が繰り広げられ、この場所も博物館として生まれ変わった。植民地統治や軍部独裁の時代の経験を持つ韓国と似た歴史を持つアルゼンチン。当初は、そんな同国の歴史的な場所への少女像設置が決まっていた。実際にアルゼンチンには正義記憶連帯が製作した少女像が送られたが、2022年11月15~16日にインドネシアのバリで行われた主要20カ国首脳会議(G20サミット)でのアルゼンチンのフェルナンデス大統領と日本の岸田首相(いずれも当時)の会談後、アルゼンチン政府とブエノスアイレス市が立場を変えたため、設置は実現しなかった。

 日本からの圧力は、図書展の開催直前まで続いていた。父親が強制動員の被害者でもあるチェ会長は、「少女像は観覧客が入場する図書展のメインゲート前の通路に設置する予定だったが、日本大使館が展示会を主催する財団を訪ねて抗議した。その後、設置場所が変わった。幸い、市の人権局のブースがあり、そこに少女像を設置した」と語った。

 設置が実現せずに終わってから3年。1カ月という限られた期間に大衆に公開される少女像の他にも、今回の図書展では、韓国の「ナヌムの家」でボランティア活動をしていた元朝日新聞の写真記者、矢嶋宰(マリオ)さんの写真展や、日本軍「慰安婦」問題を題材にしたマンガ『草』のキム・グムスクさんのサイン会と対談などのサブイベントも行われる。アルゼンチン韓人会は、スペイン語に翻訳されて出版された『草』を現地の学校などに配布するなど、慰安婦に関連する現代史をアルゼンチンに伝えることに努めていると語った。

2025/04/24 10:35
https://japan.hani.co.kr/arti/international/53031.html

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