12日の米中「関税ビッグディール」で、これまで破局に向かっていた両国関係が解氷局面に入った。これまで中国が交渉のテコとして活用してきたのはレアアース(希土類)輸出禁止カードだった。これに先立ち2010年、日本と領土紛争中の釣魚島(日本名・尖閣諸島)海域で中国漁船が拿捕された当時も、中国はレアアース輸出を統制して2週間で降伏を引き出した。
韓国はどうか。中国が戦略資源を武器化する場合、どれほど持ちこたえることができるだろうか。韓国半導体産業に必須の7大核心原材料を中心に過去5年間のサプライチェーン変化を分析した。
◆フッ化水素・キセノンの中国依存度低下
韓国貿易協会の「7大半導体原材料輸入額および国別比率」分析報告書によると、中国への依存度は一部の品目でやや低下したことが分かった。例えば半導体のエッチング・洗浄に使用されるフッ化水素は2019年の日本の輸出規制以降、中国輸入額の比率が80.1%(2022年)まで上がった。しかしその後、輸入先多角化と国内生産拡大で中国依存度は2023年に60.6%、24年には29.2%まで下がった。半導体用の希ガス類キセノンも同じだ。2022年からのロシア・ウクライナ戦争の余波で一時は中国の比率が64.5%まで高まったが、米国・フランスなどからの輸入比率を増やし、昨年は8.6%まで落ちた。
◆タングステン・レアアースは中国依存度高まる
ただ、中国に対する全体的な依存度は依然として高い。昨年の原材料別の中国輸入額比率(順位)は▼タングステン粉93.9%(1位)▼ネオン73.6%(1位)▼レアアース(化合物)47.5%(1位)▼シリコンウェハー33.8%(1位)▼フッ化水素29.2%(2位)▼キセノン8.6%(3位)▼クリプトン6.1%(2位)だった。
特に中国が最近輸出を阻止したレアアースとタングステンの依存度が高かった。半導体ウェハー研磨剤として使用されるレアアース化合物は2021年以降、中国依存度が50%に迫っている。ウェハー表面に電気が通る道を作る金属配線に必要なタングステンは中国輸入額の比率が90%台を維持している。先進国が高い人件費と強化された環境規制のため採掘・加工を縮小したことで、中国の影響力がさらに強まった。
幸いなのは短期的に持ちこたえる力があるという点だ。中国商務省の事前承認を受ければ輸入が可能で、中国が今後戦略資源を武器化するとしても6カ月-1年の備蓄物量があるというのが、産業通商資源部の判断だ。国内半導体企業の関係者は「半導体大企業だけでなく素材・部品・装備企業も原材料を備蓄しているので、すぐには問題にならないはず」と話した。
◆長期的にはサプライチェーン多角化が必須
しかし長期的な観点で中国への依存度を低めるための戦略は必要だ。中国産レアアース依存度が90%に達していた日本は2010年に中国のレアアース禁輸措置に直面した後、サプライチェーン確保に注力した。オーストラリア鉱山企業ライナスに2億5000万ドルを投資するなど脱中国を進め、2019年に90%に達していた中国依存度を60%(2023年)まで落とした。
仁荷大のカン・チョング製造革新専門大学院招待教授は「自立的なバリューチェーンを作ることが核心だ。日本は2010年から着実に東南アジア・オーストラリアなどレアアース原鉱の持ち分を確保し、源泉技術を開発して中国にまで影響力を行使している」とし「韓国のように輸入先を多角化する戦略では限界がある。停止している海外資源・技術開発に積極的に取り組む時」と指摘した。
2025/05/16 13:09
https://japanese.joins.com/JArticle/333857