ブルームバーグ「韓国は全世界の原発の43%受注可能…最大の強みは『チーム・コリア』」

投稿者: | 2025年5月20日

 気候変動や人工知能(AI)産業の成長に伴う電力需要増大で原子力発電が再び脚光を浴びる中、原発輸出市場で韓国が恩恵を受けるとの分析が示されている。

  ブルームバーグ通信は15日、「帰ってきた原発、韓国が最大の受恵国に浮上」と題する記事を配信し、「原発輸出では比較的新興国である韓国は収益性が高い機会をつかむことができる位置にある」と指摘した。

 ブルームバーグビジネスウィークは全世界で計画・提案された原発事業400件余りを分析した結果、韓国はそのうち43%を受注できる位置に付けており、今後10年間で最大の原発技術輸出国の一つに浮上する可能性があると予想した。

 ブルームバーグは、原子炉を建設できる国と企業が限られる状況で、韓国が地理的、政治的に比較的有利な位置にあるとの見方を示した。過去に原発事業を率いた米国とフランスは、費用の高さと工事遅延問題で信頼が低下し、中国とロシアは安全保障問題と地政学的リスクで西側諸国には選ばれない。そうした状況で韓国が浮上しているというのだ。ブルームバーグは、1979年のスリーマイル島事故で原発の発展が止まった米国、1986年のウクライナ・チェルノブイリ原発事故以降、脱原発世論に苦戦したフランスとは異なり、韓国は約50年間、比較的継続して原発を建設、発展させてきたと評価した。日本は2011年の東日本巨大地震に伴う福島原発事故の影響から依然として脱却できていない。

 ブルームバーグは「韓国は国内の電力需要増と世界的な脱化石燃料の動きに対応するため、数十年前から独自の原子力技術を開発してきた」とし、「韓国の目立たずとも効率的な原発産業は、東・南海岸を中心に活発で、中国やロシアとの連携を敬遠する西側諸国の注目を集めている」と分析した。

 ブルームバーグは韓国の原発産業の最大の強みとして「効率的なネットワーク」を挙げた。エンジニアリング、建設、公益事業、金融まで国営企業と民間企業が細かく結び付いているからだ。エネルギーコンサルティング会社、ラディアントエナジーグループのマーク・ネルソン社長は「韓国は『チーム・コリア』で動いている。発注国にとっては、単一窓口を相手にしていることになる」と述べた。

 ブルームバーグはまた、これまで原子力を着実に開発してきた経験がある点も強みだとした。慶煕大原子力工学科のチョン・ボムジン教授はブルームバーグに対し、「我々は50年以上原発を建設してきて、立ち止まったことがない」と語った。

 ただ、ブルームバーグは、韓国が依然として原発大国には後れを取っているとし、国内の混乱と政治的変化も不確定要因に挙げた。また、韓国初の原発輸出例であるアラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原発事業の受注を4月30日の受注確定後、現地裁判所による待ったで契約が遅れているチェコの原発を比較し、「中東では低賃金の移民労働力を活用することができた。チェコのように現地の高賃金人材を使わなければならないケースにはそのまま当てはめにくい」とも指摘した。

パク・ソンミン記者

2025/05/20 08:40
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/05/19/2025051980004.html

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