スナイダー教授は「私が会った日本の高位要人は米国が日本防衛の義務を履行できないかもしれないと懸念していた。このため国内政治的危機に陥った岸田首相が防衛協力など実現しにくい誇張された表現を出してまず成功した会談のイメージを作ろうとしたものとみられる」と話した。また「国賓晩餐の方式と英語での議会演説など今回の動線もやはり昨年の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の訪米まで意識しているという政治的危機感があらわれたもの」と付け加えた。
米ハドソン研究所アジア太平洋安全保障部長のパトリック・クローニン氏は「日本は米国がどんな場合でも日本を救うだろうと前提にする余裕がないため戦後状況を克服した完全な主権国家に戻ると決めたものと分析される」と話した。クローニン氏は「歴史の教訓を捨てても構わないという意味ではないが、日本の『平和憲法』はもう時代錯誤的な発想。現実的に自衛隊がすでに世界で最も先進化された『軍隊』になった点を認める必要がある」と説明した。
◇「ピラー2は事実韓国のオプション」
バイデン大統領は米国の同盟戦略が従来の「ハブ・アンド・スポーク型」から「格子型」に転換したことを公式化している。米国が個別の国と別途の同盟構造を形成する方式ではなく、同盟国間の多者協議体を多数作りこれをネットワーク化する構想だ。しかし日本は今回の会談で米英豪軍事同盟のAUKUS、米日豪印の防衛枠組みのクアッド、韓米日、米日比など核心協議体にすべて参加する形になった。これに対し韓国は韓米日協力体にだけ参加する。
しかし専門家らは少なくとも当分日本の役割が制限される可能性があるという観測を出した。クローニン氏は「日本のAUKUS加入が議論されるだろうが、AUKUSの核心である原子力潜水艦供与(ピラー1)ではない先端技術開発(ピラー2)に限定される限界が存在する」と評価した。マクスウェル副代表は「格子型構造が効果を出すには日本以外の他の国も必要だ。AUKUSだけでなくクアッドにも韓国が加入してこそ安保が強化されるということは当然の事実」と指摘した。今後韓国の追加加入が続くだろうという観測だ。
◇「韓国、最小限G7の永久ゲストにならなければ」
スナイダー教授は一歩進んで「もし韓国自らAUKUSピラー2に有用性がないと判断する場合、加入を急ぐ理由はない」とした。その上で「現在の韓国の位置ならばAUKUSに先立ちG8(主要8カ国)メンバー、または最小限G7の永久ゲストにならなければならない。米国は経済力・軍事力などすべての面で韓国がいなければ何もできないという事実をわかっている点を活用する必要がある」と助言した。
スナイダー教授はまた、「米国が前提にする韓日関係改善は事実韓国の一方的な努力でなされた。総選挙で与党が敗れ韓国内で対日政策に対する批判が強まるだろう」と懸念する。その上で「過去に恐ろしい戦争犯罪を犯した日本の首相が(被害国の)韓国・フィリピンとの協力を論じ過去史に言及しないのは未来に向けた重要な機会を逃した大きな失敗であり悲劇」と付け加えた。
2024/04/22 11:18
https://japanese.joins.com/JArticle/317719