韓国も米国と日本のように長期国債利回りが高騰しかねないとの懸念が大きくなっている。新政権が景気浮揚に向け金を借りてでも「金融を緩和する」と予告してだ。
金融投資協会によると、国債10年物と3年物利回り格差を示す長短期スプレッドは4日に0.48%を記録した。金利差が今年最大に広がった。年初の0.242%と比較すると2倍に近い。
短期国債より満期が長い長期国債利回りが速く上昇した影響だ。新政権が発足した4日には10年物国債利回りが年2.894%となったのをはじめ、20年物が年2.865%、30年物が年2.781%と国債利回りが相次いで年初来高値を記録した。これと違い3年物国債利回りは韓国銀行の利下げの影響で年初の年2.507%より低い年2.4%台を記録した。
長期物を中心に金利が揺れるのは李在明(イ・ジェミョン)政権が国債発行という借金で拡張的財政政策を展開すると予想されるためだ。赤字国債発行が増える場合、債券供給量増加により債券価格は下落する。内外の債券投資家の視線が追加補正予算規模に傾く理由だ。
投資銀行などを含む内外の金融投資業界は、李在明政権が30兆ウォン台の大規模追加補正予算編成に出るものと予想する。先月国会を通過した第1次追加補正予算13兆8000億ウォンの2倍を超える規模だ。KB証券のイム・ジェギュン研究員は「最近(長期物国債)利回りが大幅に上昇したのは追加補正予算規模が(大統領選挙前に)市場が考えた10~15兆ウォンよりも大きくなるだろうとの懸念が反映された」と話した。NH投資証券のカン・スンウォン研究員は「第1次追加補正予算案を含んだ今年の国債発行規模は207兆1000億ウォンで、すでに前年比30.7%増加した」と分析した。彼は李大統領が候補時代に言及した35兆ウォンほどの追加補正予算がすべて国債発行で調達されれば国債発行規模は242兆1000億ウォンに達すると予想した。国債発行量は前年比50%を超える。
ただ追加補正予算規模が不足する財政状況を考慮し「20兆ウォン+α」で10兆ウォンほど縮小される可能性もある。国政企画諮問委員長に任命された民主研究院の李韓柱(イ・ハンジュ)院長は4日、「新たな追加補正予算は20兆ウォンを基準として判断しなければならないようだ」と言及した。
今年米国と日本など主要国の国債市場が「国家負債」の恐怖に揺れ動いたのも韓国債券市場が緊張する理由だ。これらの国は財政悪化の中で負債を返すために再び国債を発行して負債が急増する悪循環に陥った。35兆ドル(約5000兆円)相当の負債を抱える米国は昨年利子費用だけで約8800億ドルを支払った。
フィナンシャル・タイムズによると、米30年物国債利回りは先月5%台で推移した。日本の30年物国債利回りは深刻な売り傾向に先月22日には取引時間中に最高値となる3.1%線を突破した。
財政健全性を要求して市場を圧迫する「債券自警団」という用語を作ったエド・ヤルデニ氏は同紙に「(米国と日本などの政府が)これまでこれほど多くの負債を抱えたことはない。(債券価格下落の懸念に)世界の債券自警団が団結しかねないということが最も危険だ」と警告した。
カン・スンウォン研究員は「韓国の債券市場も(追加補正予算に対する)政治的意志は数値化できない点で短期的に国債利回りが上昇し価格が下落するオーバーシューティングの可能性も念頭に置かなければならない」と助言した。
2025/06/09 07:35
https://japanese.joins.com/JArticle/334717