米国の関税と中国のダンピングに中小鉄鋼会社はふらふら…韓国製造業の「関節」折れる

投稿者: | 2025年6月12日

「韓国製が300ドルなら中国製は同じ品質なのに100ドルしかしません。相手にならないです。米国が中国製に関税200%をかけても関税50%の韓国製は到底競争にならないです」。

10日に忠清南道天安(チュンチョンナムド・チョナン)の鉄鋼鋳造業者ヨンシン特殊鋼で会ったパク・ソンス代表は中国製品と競争するのに疲れていた。この会社は砂で作った型に銑鉄を注いで固める方法でバルブ、ローラー、栓など各種機械装置を連結する部品を製造する。20年前に父親の会社に入社し5年前から代表を務める彼は「米国や日本など海外売り上げが60%、国内売り上げが40%だが内外でいずれも中国製品と競争関係にある。輸出と内需とも受注量が減ったが納品単価も下がったため今年の売り上げはすでに平年比30%以上減った」と話した。この会社の納品対象である中小製造業の景気が低迷しており国内売り上げに打撃が大きい。パク代表は「働き手を確保できず大変だった時もあったが、いまはそれを悩む必要すらない」と話した。

 韓国製造業の「関節」の役割をする中小鉄鋼企業が困難に陥っている。産業現場に必要な中小型部品を製造するこれら業者が中国、不況、関税台風で崖っぷちに追いやられている。中国が過剰生産した鉄鋼を安値で輸出して韓国の鉄鋼業界全般に寒波を呼び込んだのが始まりだった。その余波は時差を置いて中小企業に拡散している。

ここに米国の鉄鋼・アルミニウム関税がくさびを打ち込んだ。トランプ米大統領は3月に輸入鉄鋼とアルミニウムに25%の関税を課したのに続き、4日からは関税率を50%に引き上げた。韓国中小ベンチャー企業部によると、1-3月期の中小企業の関税対象鉄鋼製品輸出額は2億5000万ドルで前年同期の3億1000万ドルから17.8%減少した。25%の関税施行後の3月の輸出額は33%減った7000万ドルだったが、関税率引き上げとともに輸出への影響もさらに拡大するという見通しが出ている。

韓国の鉄鋼生態系で中小・中堅企業は大企業が生産した半製品を加工して消費者または他の製造業者に納品する役割をする。これら企業がなければ韓国の産業現場で使われる多くの部品の加工を中国など海外に依存するほかない。産業通商資源部のチョン・ヒドン鉄鋼産業再跳躍技術開発事業運営支援団長は「ボルトやナットから、鋼管、各種機械装置部品まで産業現場ごとに必要な部品はすべて異なるが、大企業がこのすべての部品を製造することはできない。韓国の鉄鋼生態系が崩れれば後で鉄鋼需要が回復した時も主要部品を中国などに依存するほかないだろう」と話した。

専門家らは鉄鋼生態系保護に向けた対策を設けなければならないと話す。統計庁によると、2022年基準で1次金属製造業と金属加工製品製造業に従事する鉄鋼中小企業のそれぞれ40%と28%で売上額比の研究開発支出の割合が1%未満であることがわかった。釜山(プサン)で合金鋼製品を生産するステンレス会社のホン・ソンバク代表は「中国や東南アジアなどは人件費も安い上に各種生産施設を賃借して使えるが、韓国では金融機関が土地や設備などを直接買い入れるよう要求するため投資から生産まで時間が長くかかる。金利は高く償還期間は短いが、大規模資金が設備に縛られ企業はすんなりと投資しにくい」と話した。

産業研究院のイ・ジェユン炭素中立産業転換研究室長は「関税や輸出規制など外部衝撃に対応できるよう当面は緊急資金支援が必要だが技術開発を通じた新事業進出と事業多角化など企業競争力を高められる長期的な案を用意しなければならない」と話した。

2025/06/12 07:32
https://japanese.joins.com/JArticle/334905

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