ごみ袋に入ったり物干し竿につるされたり…日本の「自撮りおばあちゃん」西本喜美子さん(97)死去

投稿者: | 2025年6月18日

 72歳で写真を始め、ユニークな感覚が際立つ独特のセルフポートレートで注目を集めてきた日本の「自撮りおばあちゃん」こと西本喜美子さんが死去した。97歳だった。

 朝日新聞などによると、西本さんは今月9日、胆管がんのため熊本県の病院で死去したという。遺族が西本さんのインスタグラムで訃報を伝え「母は72歳で写真を始めましたが、25年間写真家として生き、多くの方々のご支援のおかげで人生の最後が豊かなものになりました」「母はユーモアと創意力で多くの人々に笑いと喜びを届けたいという気持ちで作品を生み出してきました。写真展にお越しくださった全ての皆さまに感謝申し上げます」などとつづった。

 西本さんはブラジルで生まれ、8歳で日本に移住して熊本県に住んだ。美容師として働いた後に競輪選手に転向し、全国大会にも出場。27歳で税務署職員と結婚し、3人の子どもをもうけた。芸術とは無縁の生活だったが、72歳のときにアートディレクターの息子に勧められて写真を学び始め、人生の第二幕がスタートした。自ら撮影・編集したユーモラスな自撮りで、世代を問わず多くの人から愛された。2011年に初の個展を開催し、16年には初の写真集を出版。18年にSNS(交流サイト)での活動も始め、40万人以上のフォロワーを抱えるまでになった。

 西本さんの作品は、鳥と対話する妖精、手押し車で自動車と並走する写真など、奇抜な創造力を生かしているのが特徴だ。ごみ袋に自分の体を詰め込んだ状態で「歳を取ったら捨てられるのも人生の一部」、物干し竿にぶら下がって「日干ししたらコロナが死滅するかな」などとつづったユーモラスな作品も披露した。西本さんは、日本の英字新聞「ジャパンタイムズ」とのインタビューで「私にとって人生とは、楽しさを探すもの。周りを見渡すと、常に写真を撮りたくなる興味深い何かが目に留まる」と話した。

 2012年に肺がんで夫を亡くして以降、写真の作業は西本さんにとって大きな慰めになった。一人で暮らしていたときは息子がプレゼントしてくれた人型ロボット「ペッパー」と交流しながら作品活動を続けた。しかし、今年5月に入院し、今月5日には最後のインスタグラム投稿で「来年も桜が見たいな~ 見れるかな~」とつづっていた。

 西本さんの投稿には「私も西本さんのように素敵な生き方をしたい」「彼女の笑顔を見ると胸がじーんとする」「天国でもずっと写真を撮り続けてくださいね」「歳を重ねることに対する新しい視点を見せてくださって感謝しています」などと追悼メッセージが相次いだ。

イ・ヘジン記者

2025/06/18 08:20
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/06/17/2025061780119.html

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