ドイツのケルンに臨時設置されていた少女像、ボンの女性博物館に永久移転

投稿者: | 2025年6月19日

 ドイツのケルンに臨時設置されいた「平和の少女像」(以下、少女像)「トンマイ」が、ボン地域の女性博物館前に永久に設置された。4年近くさまよっていた少女像が、居場所を見つけたのだ。

 在ドイツ市民団体「コリア協議会」のハン・ジョンファ代表は17日(現地時間)、ケルンナチス記録博物館前に建てた少女像を4日、ボンの女性博物館の敷地に移転したと明らかにした。今年3月、第二次世界大戦終戦80年を迎えて用意された企画展示の一環としてケルンに建てられた少女像は、今月1日まで博物館の前に置かれる予定だった。ところが、ケルンと30キロ以内の距離にあるボンの女性博物館が銅像を受け継いで永久設置することにしたのだ。女性博物館がコリア協議会の提案を受諾したことで、「トンマイ」が住みかを手に入れることになった。

 1981年、世界で初めて設立されたボンの女性博物館は、作家として活動するマリアネ・ピツェンさん(77)が作った私立の博物館。デパートだった建物を改造して建てられた博物館は、女性の観点から見た現代芸術と文化に焦点を合わせて展示を行っている。

 ここに少女像を設置しようとしたのは初めてではない。フランクフルトの在独同胞団体「風景世界文化協議会」の提案でボンの女性博物館は2017年、博物館前に少女像を展示することにした。当時、博物館は市有地だった場所に少女像を設置する案を進めたが、日本総領事館と担当市役所の強い圧力により、結局計画を撤回した。以後、該当敷地を博物館が完全に買い入れたことで、日本政府や地方自治体が圧力を行使する名目が消え、今回は対立することなく少女像を設置できるようになった。

 この少女像は2021年、正義記憶連帯(正義連)の後援でドレスデン州立民俗博物館の企画展示期間に初めて設置された後、倉庫に放置されていたが、ケルン展示を機に再び光を見ることができた。

 一方、ベルリン・ミッテ区の公共敷地に設置された少女像「アリ」は、ベルリン行政裁判所の決定で9月28日まで存置が決定された。ミッテ区役所は少女像の価値と芸術の自由を優先した裁判所決定は尊重するとしながらも、私有地への移転を提案している。コリア協議会は区役所との協議に乗り出す一方、少女像の象徴性を考慮して私有地に移すことには否定的な立場を示している。

 ドイツに設置された少女像と関連した行事も活発に行われる予定だ。カッセル地域の教会である「ノイエ・ブリュダーキルヘ」(新しい兄弟たち教会)は国連(UN)が定めた戦時下の性暴力根絶のための国債デー(6月19日)を迎え、教会前に設置された少女像「ヌジン」と19日に関連行事を開く計画だ。また、「日本軍『慰安婦』ハルモ二(おばあさん)と共にする馬山・昌原・鎮海(マサン・チャンウォン・チネ)市民の会」は芸術家グループ「5番目の声(The Fifth Voice)」と共に、27日から来月3日まで、少女像があるフランクフルトとベルリン、カッセル、ボンを訪ねて公演を行う。日本政府の圧力に屈せず、撤去された少女像を建て直す正義と抵抗を芸術で表現し、これをドイツ市民に知らせることが目的だ。

2025/06/18 19:58
https://japan.hani.co.kr/arti/international/53508.html

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