「経営権プレミアム」にすら反対・反日激化…LINE問題、長期化の見通し

投稿者: | 2024年5月13日

 日本政府の行政指導が引き起こしたLINEヤフーの「資本関係」再調整問題が、さらに複雑な局面に突入している状況にある。韓国政界では「反日感情」をめぐる論争が急速に広がり、韓国政府も遅れて日本政府に「遺憾の意」を表明(10日、科学技術情報通信部)した状態のもと、韓国のネイバー系列の会社の従業員も動揺している。株式売却交渉の当事者であるソフトバンクとネイバー側も、両社ともに交渉条件が合わず、議論が長期化すると予想される雰囲気だ。LINE開発の主軸である韓国内のネイバー系列の会社の従業員は「LINEを奪われるわけにはいかない」として、行動を起こす兆しをみせている。

 最大野党「共に民主党」のチョ・スンレ議員(国会科学技術情報放送通信委員会幹事)とイ・ヨンソン議員(外交統一委員会幹事)は12日、国会で記者会見を開き、「LINEヤフー問題」を「日本のLINE強奪の試み」だと規定し、国会レベルでの対応を求めた。これに先立ち8日から、LINEヤフー・ソフトバンク・ネイバーは「株式売却交渉」を公にして、それぞれの立場での発表を続けた。事実上の総務省の圧力と受け止められている「ネイバー保有の株式売却」が、当該企業の間ではすでに交渉のテーブルに載せられているという事実が確認されたわけだ。LINEヤフーの出澤剛社長は8日「(資本変更は)ソフトバンクがマジョリティーをとる形での変更が大前提」だと述べ、それに続き10日にネイバーも「株式売却を含めて議論中」だと認める初の立場を表明した。

 韓国政界が突然論争に巻き込まれ、韓国世論も反日感情が高まる局面のもと、ネイバーとしては選択肢を制約された状態にある。ネイバーは、LINEヤフーの持株会社「Aホールディングス」の株式をソフトバンクと正確に50%ずつ分けあっている。共同経営の構造だ。交渉過程でネイバーは、ソフトバンクに「経営権プレミアムが付加された株式売却」を要求しているが、ソフトバンクはプレミアムに消極的だとされる。LINEヤフーのネイバーが保有する株式の価値は、経営権プレミアムを含め10兆ウォン台(約1兆1000億円)だと推算される。日本経済新聞は9日、ソフトバンク関係者の話を引用して「金額面で深い溝があり、先行きは不透明」だと報じた。

 日本政府の圧力によって、すでにネイバーも中長期的なビジネス戦略まで検討して株式売却関連の交渉に入った状況であるため、ネイバーとしては、最近になり高まる反日感情によって、よりいっそう困難な状況にある。業界関係者は「ネイバーの立場としては、いい価格で売却したくても、現在のように外交問題化している状態下では、株を売却すれば日本に屈従したという非難を受けかねない」と述べた。「資本関係」をめぐる今回の問題が長期化する公算が高まっているわけだ。

 専門家らは、反日感情の広がりを警戒し、日本政府には韓国がよりいっそう断固たるシグナルを送らなければならないと述べた。大邱大学のキム・ヤンヒ経済金融学部教授(元国立外交院経済通商開発研究部長)は12日、ハンギョレのインタビューで「韓国でこの問題を反日感情に結びつけると、むしろ日本の右派の反感を引き起こし、問題を複雑にさせ、ネイバーの助けになるどころか、むしろ深刻な被害をもたらすことになる」として、「韓日が『価値と理念を共有する類似国』(like-minded countries)であることを強調し、日本政府が介入して韓国企業にこのような要求をすることは、明らかに無理があるだけに、韓国政府が座視できないとするシグナルを強く明確に送り続けなければならない」と強調した。

 ネイバー内部でも、従業員の間でネイバー経営陣と韓国政府に対する不満と不安が高まっている。特に、2011年のネイバーのLINEメッセンジャーアプリの発売と運営に決定的な役割を果たしたシン・ジュンホ最高製品責任者(CPO)が取締役会から退任すると(8日)、LINEプラスなどのLINEの韓国内8社の系列企業の従業員2500人は、会社側から説明(14日予定)を受けることにした。ネイバー労働組合も13日、ネイバーとLINEプラスの経営陣などを相手に、公式の質問書を発送する計画だ。

2024/05/12 21:10
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/49995.html

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