「陶磁器を見れば東アジア王室美術交流を知ることができる」

投稿者: | 2025年6月30日

「(東アジア)王室美術はアカデミズムを先導して外部の工房職人まで網羅する、当代最高技術の産物だった。また、外交使節などによる贈り物を通じて国際交流関係を知ることができる点で歴史的に探求されるべき部分が多い」(ユキオ・リピット教授)

韓国・中国・日本・ベトナムなど東アジア王朝の国々で花を咲かせた王室美術の歴史と特徴を比較・探求する国際学術の場が開かれた。韓国国立古宮博物館開館20周年を迎えて27~28日に博物館で開かれた「東アジア王室文化と美術」国際学術大会だ。国立古宮博物館と韓国美術史学会が共同主催してハーバード大学燕京研究所が後援した学術大会に先立ち、18人の学者が参加して主要な認識を共有する懇談会が26日、開かれた。

 懇談会には朝鮮宮中絵画研究権威者である韓国学中央研究院のパク・ジョンヘ教授、中国および韓国絵画史専門研究者の東京大学東洋文化研究所の板倉聖哲教授、正倉院関連の発表をしたハーバード大学のユキオ・リピット教授(美術史・建築史)、台北故宮博物院(台湾古宮博物館)の余佩瑾副院長ら4人が出席した。これら「東アジア王室文化」というカテゴリーで初めて開かれる今回の学術大会が関連研究を急進展させる重要な契機だと口をそろえた。

王室美術は何よりも権力者との関係で重視される。板倉氏は「古代王権が愛好した文物は正統性を象徴し、隠されることによって権威を現わしたが、時間が経過して制限された場所で公開され始め、こんにちでは誰でも享有することができる」としながら「たとえば書画作品でも(創作者の)個性よりは時代の美意識を分析できるという点で重要だ」とした。

余氏は「台湾古宮博物館所蔵品の90%は皇室のものであり、言い換えれば残された遺物と皇室との関係は切っても切りれない」としながら「たとえば陶磁遺物を通じて12世紀東アジアの芸術交流などを見ることができる」と強調した。

リピット氏は756年に奉献されて、最古の「アジア「王室所蔵品」に挙げられる正倉院宝物がシルクロード交易の他にも国家間の朝貢など複合的な歴史を表わしている点に注目した。正倉院宝物に含まれた新羅の楽器に関連して「当時音楽は政治外交において非常に重要で、楽器だけでなく楽士たちも各国宮廷の間を行き来したが、それと共に各自個別に発展していった」と説明した。

パク・ジョンヘ氏は「朝鮮は500年間単一王朝を維持した、類例をほぼみない国家として差別化された宮中美術を生んだ」としながら「特に18世紀以降、図画署を中心に体系的に宮中絵画が生産・管理され、華やかな宮中に合う装飾画などが独特の美的感覚を発展させた」とした。あわせて「韓中日の宮中絵画の特殊性・独自性に対する研究がそろそろ開始されて然るべきだ」と強調した。

出席した学者たちは韓国王室美術がもっと人々にしられるべきだと口をそろえた。リピット氏は「高麗王室が奉献・発源した14世紀仏教美術の規模と技巧には目を瞠るべきものがある。人類全体の文化遺産として大きな価値がある」と述べた。板倉氏も「絵画の発展において(日中韓の)相互影響がもっと探索されるべき」と話した。

2025/06/30 10:05
https://japanese.joins.com/JArticle/335637

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