これと関連し外交消息筋は、「20日の参議院選挙を控え世論に敏感にならざるを得ない日本の石破茂首相はこれまで米国の要求を受け入れにくい状況だった。選挙に合わせたベッセント長官の訪日は選挙まで先送りしていた談判を急ぐという布石」と話した。
トランプ大統領は日本との早期合意を主要貿易国との交渉でレバレッジとするため7回にわたり交渉を進めてきた。しかし選挙を控えた石破首相が時間を引き延ばすと「甘やかされている」などの非難を浴びせ、これまでより1ポイント上げた25%の関税を通知した。
◇「EU、インド、台湾と合意迫る」…韓国だけ残されるか
もし日本との交渉がスピードを出す場合、韓国だけ交渉を完了できないまま米国と向き合うことになるとの懸念も出ている。
トランプ大統領はこれまで10大赤字国のうち別途交渉を進める中国、交渉を終えたベトナム、相互関税例外国のメキシコとカナダを除き、欧州連合(EU)、台湾、インドには書簡を送らなかった。これと関連しウォール・ストリート・ジャーナルは「ベッセント長官が(トランプ大統領に)『インドとEUなどとの交渉はほぼ終わったが時間がさらに必要だ』という意見を伝えた後(トランプ大統領が)関税施行を延期した」と伝えた。
外交消息筋は「トランプ大統領は『大きくて美しい法案』の通過後、先送りしていた関税交渉を終えようとする動きを見せている。『ビビって退く』という嘲弄まで受けた立場で主要国との交渉を終わらせ8月からは能力を中国に集中する可能性がある」と予想する。ラトニック米商務長官もCNBCとのインタビューで「8月初めに中国ともっと大きな貿易対話を始めるだろう」と公言した状態だ。
◇韓国、品目関税に安全保障まで「全方向圧迫」
トランプ大統領は中国との全面戦争に先立ち品目関税施行にスピードを出している。銅に対する50%の関税を8月1日から施行すると明らかにした。銅は韓国企業が大規模に投資したバッテリーの主原料だ。近く主力輸出品である半導体関税が発表される可能性もある。すでに自動車に25%、鉄鋼に50%の関税が施行された状況で、追加の品目関税は韓国の交渉力を弱めさせる要因に挙げられる。
国際格付け会社のフィッチによると、韓国の実効関税率は15.0%で、中国の41.4%、日本の16.5%に次いで3番目に高い。実効関税率は輸入額で占める関税の割合を意味する。韓国の実効関税率が高い理由は、韓国の輸出品の相当数が品目関税対象に含まれるためだ。
トランプ大統領は品目関税に対しては妥協の余地がないと線を引いた状態だ。また、防衛費分担金など安全保障問題を包括したパッケージ交渉が予告された状況で「韓国は自国の防衛費を自ら負担しなければならない」として全方向から圧力を加えている。
2025/07/10 17:14
https://japanese.joins.com/JArticle/336113