ニコラス・バーンズ元駐中米国大使は15日「われわれの目標は中国との平和共存だったが、任期を終えて私はさらに強硬派になった」「インド太平洋で最も強力な国家になろうとする中国の意志と野望は単に驚愕(きょうがく)心だけで済むレベルを超えた。トランプ大統領が中国に強硬な姿勢を示すのは正しいと思う」と述べた。元職業外交官で前任のバイデン政権では駐中国大使を務めたバーンズ氏は同日コロラド州アスペンで開催された「アスペン安全保障フォーラム」で講演し「われわれはしっかりと準備しなければならない」とした上で上記の考えを示した。
バーンズ氏の発言は中国に強硬な米国国内の党派を超えた雰囲気を示している。バーンズ氏は「(中国に対する)バイデン前大統領とトランプ大統領のアプローチは多くの点で関係していると思う」との考えも示した。またトランプ大統領が任命した自らの後任であるデイビッド・パデュー駐中国大使について「素晴らしい人物であり、良い大使でもある。心から彼を支持する」と評した上で、中国について「中国は鉄鋼、ロボット、電気自動車、リチウムバッテリー、太陽光パネルなどを自国需要の2-3倍過剰生産し、全世界にダンピングを行っている」「ここ1年間に世界の複数の国が中国に対する関税を引き上げた。トランプ大統領が強い姿勢で貿易交渉を行うのは正しいだろう」とも評した。
バーンズ氏は「米中関係は協力と競争が共存する側面もある」としながらも「米国国内の大方の考えは、中国がインド太平洋地域で最も強力な国になろうとしていることだ」と指摘した。この点についてバーンズ氏は「中国は東シナ海と南シナ海、台湾海峡、韓半島に近い黄海などで攻撃的に領有権を主張しており、われわれは中国との協力に向け努力したが、今は競争しなければならない」と主張した。ただし偶発的な衝突をより大きな対立にしないために「深夜3時にでも連絡を取り合える軍の窓口を確保しておくことが重要だ」と言及した。
バーンズ氏はトランプ政権の同盟政策について「同盟諸国に対し、『米国に従属している』と感じさせてはならない」と明言した。その上でバイデン政権が韓国、日本、オーストラリアなどインド太平洋地域の同盟国と複数の協議体を立ち上げ、緊密に協力したことに言及し「米中関係との違いを示す存在がわれわれの同盟国と友好国だ。中国には同盟国がない」と主張した。米国が関税問題で同盟国の韓国、日本との対立を招いたことをバーンズ氏は「オウンゴールだ」と表現し「米国が同盟国と協力して条約を強化すれば、中国が脅威を感じることをここ数年の中国政府関係者などとの対話で骨身に染みて実感した」「われわれは同盟国と結んだ関係に、より多くの努力と時間を投じなければならない」と訴えた。
アスペン (コロラド州)=金隠仲(キム・ウンジュン)特派員
2025/07/17 10:20
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