李在明(イ・ジェミョン)大統領が最近、欧州連合(EU)、フランス、インド、英国に派遣した特使団が日程を終えた中、対フランス・英国特使団は首脳と会えずに帰国した。「特使外交」の核心である対米国特使団も近く出国するとみられるが、トランプ米大統領との会談が実現するかどうかに関心が集まる。
韓国日外交部によると、最近、EU、フランス、インド、英国特使団が順に相手国を訪問した後、活動の結果を公開した。
EU特使団(団長、尹汝雋元環境部長官)は15日(現地時間)、ベルギーでアントニオ・コスタ欧州理事会議長と会談し、李大統領の親書を伝達した。
新政権発足後にEUを相手に特使団を送ったのは、2017年の文在寅(ムン・ジェイン)元大統領就任時が初めてだ。当時、趙潤済(チョ・ユンジェ)EU・ドイツ特使は今回の特使団と同じく欧州理事会議長と会った。2022年の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の就任当時にもEU特使団長として金起炫(キム・ギヒョン)国民の力議員が派遣された。
インド特使団(団長、金富謙元首相)は17日、モディ首相に李大統領の親書を伝達し、ジャイシャンカル外相らインド政府・議会の主要人物と会った。モディ首相は特使団を歓迎しながら親書の伝達に謝意を表し、李大統領をインドに招待したと、韓国外交部は明らかにした。
フランス特使団(団長、康錦実元法務部長官)の場合、フランス大統領室のエマニュエル・ボン外交担当補佐官と会い、李大統領の親書を伝達した。特使団の千俊鎬(チョン・ジュンホ)共に民主党議員は「マクロン大統領が韓国訪問に関心が多い」というボン補佐官の伝言を公開した。フランス特使団はこのほか上・下院主要人物、現地主要企業代表と会ったと、外交部は伝えた。
英国特使団(団長、秋美愛共に民主党議員)はパウエル首相補佐官(国家安全保障担当)と会って李大統領の親書を伝えた。パウエル補佐官は先月、先進の7カ国首脳会議(G7サミット)を契機に行われた最初の韓英首脳会談に言及しながら緊密な意思疎通の意志を強調したと、外交部は伝えた。英国特使団はキャサリン・ウエスト政務次官、議会関係者とも会った。
ただ、フランス・英国特使団がマクロン大統領、スターマー首相を現地で会えなかったのは残念だという声も出ている。首脳の親書を持った大統領特使なら通常、相手国の首脳と会談してこれを伝達するのが外交的礼遇を守る慣例という指摘だ。
これに先立ち2017年の文在寅政権当時、趙潤済EU・ドイツ特使はメルケル独首相と会って親書を伝達した。メルケル首相は「新政権の発足を歓迎し、早期の首脳会談の準備を指示した」と趙特使が明らかにした。
李在明政権は米国・中国・日本をはじめとする主要国とEUに特使団を送ってきた従来の公式から抜け出し、10カ国余りに特使団の派遣を進めながら幅広い特使外交を見せている。英国、フランスに別の特使団を派遣したのも初めてだ。外交多角化の動きとみられるが、首脳との会談が実現せず、特使派遣の実益が疑問視される余地がある。
これを受け、近く出国する対米特使団(団長、朴容晩元斗山グループ会長)が現地で接触する人物と議論内容に大きな関心が向かっている。核心はトランプ大統領との会談が実現するかどうかだ。しかしまだ韓米首脳会談の日程も決まっていないうえ、25%相互関税を来月1日に控えた安保-通商連係『パッケージディール』交渉などさまざまな状況が変数として作用するおそれがある。
歴代対米特使団も米大統領との会談が実現した事例とそうではない事例があった。2017年の文在寅元大統領の対米特使団(団長、洪錫炫中央ホールディングス会長)は1期目のトランプ大統領と直接会い、副大統領、ホワイトハウス顧問、国家安保補佐官が同席した中で会談して親書を伝えた。2008年の李明博(イ・ミョンバク)元大統領の対米特使団(団長、鄭夢準峨山政策研究院名誉理事長)も当時のブッシュ大統領と会った。
半面、2022年の尹錫悦前大統領の就任を控えて派遣された特使団性格の韓米政策協議団(団長、朴振元国民の力議員)は当時のバイデン米大統領とブリンケン米国務長官に会えず、サリバン補佐官(国家安全保障担当)と会った。故盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の対米特使団(団長、鄭大哲憲政会長)も当時のジョージ・W・ブッシュ大統領に会えずチェイニー副大統領に親書を伝えた。朴槿恵(パク・クネ)元大統領の対米特使団(団長、李漢久元セヌリ党院内代表)も当時のオバマ大統領でなくケリー国務長官と会談した。
2025/07/21 09:32
https://japanese.joins.com/JArticle/336509