「日本は、天皇のしらす(治める)君民一体の国家である」。
20日に実施された日本参議院選挙で「日本人ファースト」を叫んで旋風を起こした右派政党の参政党が掲げる日本憲法改正草案の第1条1項だ。参政党の憲法改正案はこのほか天皇の詔勅、総理など内閣や憲法・法律に対する天皇の裁可権限を規定した。半面、平等権は削除した。
「自国民優先」「反移民」「国境封鎖」などを唱える右翼政党が従来の主流政治の失敗に食い込んで制度圏政治に進入している。14議席を確保する勢いを見せた参政党の躍進は、米国と欧州で起きた右派政党旋風が東アジアに越えてきた象徴的な事件と評価される。
欧州では昨年から右派の旋風が強まっている。ドイツでは「ドイツのための選択肢(AfD)」が2月の総選挙で20.8%を得票して第2党となった。与党だった社会民主党(SPD)は第3党に落ちる衝撃的な敗北を喫した。ドイツのための選択肢のアリス・ワイデル共同党首は20日のインタビューで右翼政党という非難を一蹴し、「私たちは国家のための合理的な政策を追求している」と述べた。
フランスの国民連合(RN)はすでに既成政党に無事に到着した事例だ。2012年の最初の総選挙では2議席に終わったが、昨年7月の総選挙では143議席を占めた。洗練されたフランス語とマナーのジョルダン・バルデラが代表を務め、「右翼」に漂うアスファルトイメージも消えて久しい。
創党7年目の英国の新生政党リフォームUKは5月の地方選挙・下院補欠選挙で圧勝した。先月、世論調査会社が「あす総選挙が実施されればどの政党の候補に投票するか」とアンケート調査をしたところ、リフォームUKが労働党と保守党などを抑えて第1党を占めるという結果が出てきた。こうした状況の中、一部の保守党出身の重鎮議員は相次いでリフォームUKに党籍を移したりもした。
このほか、オーストリア、ポーランド、ポルトガル、イタリアでも右派政党が総選挙で第1党または最大野党に浮上した。欧州連合(EU)でも各国右派政党が集まった政治グループ「アイデンティティと民主主義」(ID)が勢力圏を形成している。
米国は右派政党の震央であり、増幅地に挙げられる。トランプ大統領が掲げた「米国を再び偉大に(Make America Great Again、MAGA)」は、各国の右翼が変奏して右派政党の共通標語として拡散している。トランプ大統領は20日、トゥルース・ソーシャルに「今日の米国は世界中で最も人気があり、最も尊敬される国になった」と自評した。
◆右派政党旋風の背景には「経済・アイデンティティ不安」
これら政党は「日本人ファースト」(日本参政党)、「反イスラム」(ドイツのための選択肢)、「移民取り締まり」(英リフォームUK)など似た政策や標語を掲げている。物価高、賃金の停滞、住居の不安など経済的な要因と移民者の流入によるアイデンティティ不安という共通の背景を背に誕生した政党であるからだ。「経済不安定の中で住民の不満を結集したメッセージ」(ロイター)ということだ。
右派の急浮上が「反エリート情緒の拡張」であり「従来の主流政治の失敗に対する有権者の警告」という解釈も出ている。英政治評論家デビッド・グッドハート氏はザ・タイムズに「従来のエリート中心の政治が地域基盤の中産層を疎外させた」とし「左派の福祉政策と右派の国境・移民統制を結合したポストリベラル(post-liveral)接近が必要だ」と指摘した。ウォールストリートジャーナル(WSJ)は「労働者階層の経済的不安と移民問題、主流政治に対する失望が右傾化を触発した」と話した。
2025/07/22 11:15
https://japanese.joins.com/JArticle/336578