韓中外相会談 「強制送還ないように協力を」…国内外の懸念を伝達

投稿者: | 2024年5月14日

韓国の趙兌烈(チョ・テヨル)外交部長官が13日、中国の王毅共産党政治局員兼外相と会談し、「脱北民が強制送還されず希望するところに行けるように格別の関心を持って協力してほしい」と要請した。また、北朝鮮が最近、対南攻勢を強めていることに対しても、中国側の責任ある役割を求めた。

◆王外相「建設的な役割をする」

 趙長官はこの日、中国北京の釣魚台国賓館で開かれた韓中外相会談で脱北者の強制送還に対する国内外の懸念を伝えながらこのように述べたと、韓国外交部が明らかにした。これに対し王外相は「中国の朝鮮半島政策に変わりはない」とし「朝鮮半島問題の解決のために建設的な役割をする」と答えた。この日の会談は夕食会まで合わせて4時間ほど続いた。

外交部によると、趙長官はこの日、北朝鮮が統一を否定して南北を敵対的関係と規定し、脅迫と各種挑発で韓半島(朝鮮半島)をはじめとする域内の緊張を高めていることに懸念を表したという。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が最近「二つの国家論」を前面に出しながら南側を「交戦中の敵対国」として扱っている現実に対し、中国側の責任ある役割を促したと解釈される。

また趙長官は北朝鮮がロシアと不法軍事協力を続けていることにも懸念を表したと、外交部は伝えた。朝ロ間の過度な密着を傍観する中国側の態度を指摘したのだ。趙長官はこの日の会談で、中国が避けようとする問題も提起する原則論を見せたという評価だ。

◆「若い世代の距離を縮めよう」

趙長官は2016年の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備決定以降、まだ余波が続いている「限韓令(韓流制限令)」についても「文化コンテンツに対する自由な接近が両国の若い世代間の心の距離を縮めるのに役に立つはず」と述べた。

そして「両国関係の発展のためにはどちらか一方でなく両国が共に努力することが重要だ」とし「難関があっても慎重に管理しながら、協力のモメンタムを続けなければいけない」と強調した。

趙長官は「高官級を含めて多様なレベルで戦略的な交流と意思疎通を強化していくことが重要だ」と述べながら王外相の訪韓を要請した。これに対し王外相は「趙長官の訪中を契機に両国の高官級交流がより一層活性化することを望む」とし「互いに都合のよい時期に訪韓する」と答えた。王外相は昨年11月、釜山(プサン)で開催された韓日中外相会談のために訪韓している。

また外交部は「両外相が近く韓国で開催される第9回韓日中首脳会談の成功に向けて協力を続けていくことにした」と明らかにした。これを受け、26、27日のソウル開催を調整中の3カ国首脳会談の日程が近く公式発表されるかが注目される。この日、両外相はウクライナ情勢と中東情勢、米中関係などについても協議した。

◆「持続可能な発展が重要」

一方、趙長官はこの日の会談で「新しい韓中協力時代を開くためには速度と規模でなく、互いに信頼の増進を通じて持続可能な発展基盤を固めることに注力する必要がある」とし「相互尊重、互恵、共同利益に基づいて『戦略的協力パートナーシップ関係』を持続的に発展させていこう」と強調した。

中国は韓国の最大貿易国だが、今はもう経済協力の速度・規模の側面だけに重点を置くのではなく、これを後押しする両国間の信頼を築く努力をすべきという意味と解釈される。両外相はこの日、「サプライチェーンの安定的管理のためにも緊密な意思疎通」をすることにしたが、2021年の尿素水不足事態のようなサプライチェーン危機が再発しないためには韓中間の信頼の構築が必須だ。

韓中経済協力において「量より質」を強調するような趙長官の発言は、この日午後に開かれた中国進出企業関係者との懇談会でも出てきた。趙長官は懇談会で「韓中間の高い相互依存性はその間、両国経済が共に成長して繁栄する原動力だったが、それだけリスクも抱えているという両面性を持つ」とし「中国市場のリスクがあるなら、それによる負担を最小限に減らすよう支援する」と述べた。

2024/05/14 10:34
https://japanese.joins.com/JArticle/318613

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)