米プロバスケット(NBA)シカゴ・ブルズのソーシャルメディア(SNS)は最近、東洋人選手の写真と映像で飾られている。日本人ガードの河村勇輝(24)だ。最近シカゴ球団が掲示した16件のフィードのうち12件の主人公が河村だった。
シカゴは22日(日本時間)、「河村が背番号8を付けることになった」と発表した。8番は昨季まで7シーズンにわたりシカゴのエースだったジャック・ラビン(30、サクラメント)が付けていた背番号だ。チームの看板スター級の待遇だ。ところが河村は「フルタイムNBA選手」ではない。河村は21日、シカゴと「ツーウェイ(two-way)契約」を結んだ。
正式契約も結べなかった河村が注目される理由は限界と戦っているからだ。河村は身長が172センチにすぎない。2メートル級の大きな選手が集まるNBAで生き残るにはかなり不利な身体条件だ。河村は小さな身体を陸上短距離選手のようにスピード、華麗なドリブル、そして鋭いパスで克服してきた。パワーと高さで勝負するNBAでは珍しいタイプの選手だ。
河村がNBAでツーウェイ契約を結んだのは今回が2回目となる。河村は2024-25シーズンはメンフィスとツーウェイ契約を結び、生涯初めてNBA入りを果たした。しかし1試合あたり平均4.2分(22試合)、それもほとんど「ガベージタイム(勝負が傾いた第4クォーター後半)」にのみ起用され、平均1.6得点に終わった。メンフィスと正式契約にも至らなかった。日本復帰を悩んでいた時期にシカゴが手を差し伸べた。河村は出場時間が少なかったNBAでは成績が低調だったが、出場機会が十分に与えられたGリーグでは活躍した。
シカゴは新人級選手の技量を点検するサマーリーグ(6-21日)に河村を招待した。河村は平均23.9分(5試合)出場し、10.2得点、2.4リバウンド、6.2アシストと実力を立証した。得意のノールックパスはさらに鋭くなり、以前にはなかった果敢なゴール下突破からのシュート、正確な3点シュートまで、シカゴのビリー・ドノバン 監督(60)の心をつかんだ。シカゴのファンは試合ごとに「私たちは河村を望む!」を叫んだ。NBAは河村を「この夏のショーの主人公」と評価した。河村は早くから日本リーグを平定した。横浜ビー・コルセアーズ所属だった2022-23シーズン、日本プロバスケットBリーグの最優秀選手に選ばれた。世界的に注目されたのは昨年のパリオリンピック(五輪)当時だ。
日本代表で出場した河村はNBAのスーパースター、ビクター・ウェンバンヤマ(224センチ、サンアントニオ)、ルディ・ゴベア(218センチ、ミネソタ)など大きな選手がそろう開催国フランスを相手に29得点、7リバウンド、6アシストをマークした。フランスの長身選手らを手こずらせ、ノールックパスをばらまく河村はあたかも漫画の主人公のようだった。バスケットファンは日本のバスケット漫画『スラムダンク』の登場人物、宮城リョータ(韓国ではソン・デソプ)の現実版と言って熱狂した。さらにスラムダンクの作家がシカゴのユニホームからインスピレーションを受けて高校チームのユニホームを赤に決めたことが伝えられ、河村のシカゴ入団はより大きな関心を集めた。河村は「大きくなくてもNBAでできる可能性がある。身長は関係ないと証明したい」と覚悟を語った。
2025/07/23 10:20
https://japanese.joins.com/JArticle/336623