がん診断に投資収益予測まで…LGのAI「エクサワン生態系」

投稿者: | 2025年7月23日

「韓国と日本にどれだけ多くの石油がホルムズ海峡を通じて供給されているか」。

自ら考えて推論するLGの人工知能(AI)モデル「エクサワン4.0VL(Vision Language)」に中東のホルムズ海峡と関連した国際エネルギー機関(IEA)の報告書を見せると、すぐに「1日420万バレルの石油が供給されているということがわかる」という回答が返ってきた。

 報告書本文に関連した内容は直接的に書かれてはいない。代わりに国別に色分けした供給量がインフォグラフィック形態で表示されている。エクサワンはイメージ分析を通じて韓国と日本に当たる部分の色を組み合わせて結果を正確に導き出したのだ。LGAI研究院の利弘洛(イ・ホンラク)共同研究院長は「単純なテキスト水準でなく、表とチャートを理解してインサイト(洞察力)を提供できる」と強調した。

LGAI研究院が専門報告書分析からがん診断、新薬開発、投資収益予測まで産業のあちこちで利用できるAIモデル「エクサワン生態系」を22日に初めて公開した。LGAI研究院はいわゆる「ABC(AI・バイオ・クリーンテック)」を未来の収益源として目を付けたLGグループの具光謨(ク・グァンモ)会長の指示を受け2020年に設立された研究機関だ。裵慶勲(ぺ・ギョンフン)前研究院長(現科学技術情報通信部長官)の後任に選任された利弘洛・林祐炯(イム・ウヒョン)共同研究院長はこの日、ソウルの麻谷(マゴク)LGサイエンスパークで開かれた「AIトークコンサート2025」の演壇に上がりこうした内容を紹介した。

エクサワンは2021年末にLGAI研究院が初めて公開した大規模言語モデル(LLM)基盤のマルチモーダル(多重情報)AIモデルだ。その後急速に技術開発が進み、先週にエクサワン4.0モデルを公開した。エクサワン4.0から派生して複雑な文書とイメージ、分子式などを理解する「エクサワン4.0VL」、データ生産プラットフォームの役割をする「エクサワンデータファウンドリー」などがこの日初めて公開された。AI研究院は「データファウンドリーは専門家60人が3カ月間作業して生成できるデータを1人が1日で終わらせられるように助ける。LG系列会社と国策機関などと実証事業を進めた結果、既存と比べデータ生産性は最小1000倍、データ品質は平均20%以上向上する結果を確認した」と説明した。

AI研究院はエクサワン生態系を活用してLGグループの企業間取引(B2B)事業を多角化していく計画だ。英ロンドン証券取引所グループ(LSEG)とともに推進する「投資収益率予測システム」が代表的だ。AI研究院はデータだけでなく、ニュースや公示資料など非定型データをベースに投資家の意志決定を助けるAIサービスを準備していると明らかにした。AI事業開発部門のイ・ファヨン部門長は「7-9月期中に商用化する予定。ヤフー・グーグルファイナンスでもだれでもアクセスし活用できるようにするのが目標」と話した。

LGグループ内部だけで使われていた生成型AIチャットボットサービスである「チャットエクサワン」もこの日オープンベータ形態で外部に初めて公開された。現在の企業・公共機関・研究機関電子メールに加入すればだれでも使うことができる。

林共同院長は「AIモデル開発を超え多様な産業現場に用いて事業的価値を作り汎用性と専門性の両方を備えて世界のパートナー企業とともにAI生態系を作っていくだろう」と話した。李共同院長も「エクサワンの基本技術を世界最高水準へと発展させ、新たな新成長動力を発掘できるよう努力したい」と強調した。

2025/07/23 11:59
https://japanese.joins.com/JArticle/336637

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)