「4月10日にならず者に対抗すべきだった、EUはその時負けた」…欧州の後悔(2)

投稿者: | 2025年7月29日

むしろトランプ大統領は時に威嚇レベルを高めながらEUを圧迫した。4月にEUが構想した対米報復パッケージ規模が260億ユーロから210億ユーロに縮小されたのはトランプ大統領の威嚇が効果を発揮したためとみられる。トランプ大統領が米国産バーボンウイスキーを報復パッケージリストから除かなければ欧州産ウイスキーも制裁すると警告した結果、フランス、アイルランド、イタリアが動いたという。同紙はEU当局者の話として、「加盟国が望むまますべてリストから除外したなら残るのは90億ユーロ規模の品目だけだっただろう」と予想した。

EUは30%の関税を避けながら、「最悪」を避け「次悪」を選択したという立場だが、現状維持を包み隠すのにすぎないと同紙は評価する。続けて15%の関税率の中に既存の平均関税率4.5%が含まれており上昇率は大きくないというEUの解釈の弱点を指摘した。実際に輸入額を基準として加重値を置いた平均関税率は1.6%だったため対米輸出に相当な損害は避けられないということだ。

 明るくなり始めたトランプ大統領の表情もこうした見方を後押しする。米メディアのポリティコは、トランプ大統領が今回の交渉を終えた後「今回の合意は多くの統合と友情をもたらすだろう。とてもうまくいった」と話したと伝えた。

4億5000万人の消費者を持つ単一市場としてEUの経済的影響力を考慮すれば米国の立場ではそれだけ難易度が高くなるほかない。ポリティコは「トランプのやり方は第2次世界大戦後に構築された多国間貿易体系を崩してしまう『撤退』のようだった」とも比喩した。米国中心主義を掲げた2国間主義方式の圧迫でEUの弱点に食い込んだという意味とみられる。さらに踏み込んでフィナンシャル・タイムズは「EUはトランプという機関車にひかれた。トランプ大統領はわれわれの苦痛許容値がどこまでか正確に計算した」とEU内の自嘲混じりの嘆きも紹介した。

◇EU、トランプ大統領と会う前日に「交渉の先輩」日本に助言求める

EUは対米交渉での劣勢を意識して日本に助言を求めた。ウォール・ストリート・ジャーナルはこの日消息筋の話として、EUの交渉代表であるシェフチョビッチ欧州委員(貿易・経済安全保障担当)がトランプ大統領との会談でどのような状況を予想すべきか把握するために日本の当局者に助言を求めたと報道した。「交渉の先輩」のリアルな前例を参考にする必要があったためだ。

その結果、シェフチョビッチ委員はトランプ大統領と日本の会談が形式的な水準を超え合意に向けた細部事項を取り上げた点を知ったと同紙は伝えた。これを基にEU代表団はターンベリーに移動する前にグラスゴーのホテルに集まりトランプ大統領にどんな交渉カードが効果的かを議論した。対米投資額規模、米国製品輸入をテコに関税を引き下げるEUの合意方式が日本と似ていた理由だ。

2025/07/29 10:00
https://japanese.joins.com/JArticle/336863

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