「大韓海峡を飛行した中国ステルス機J-20、韓国・日本は把握できず」

投稿者: | 2025年7月31日

中国の第5世代ステルス戦闘機「殲-20(J-20)」が最近、大韓海峡の東水路(日本名・対馬海峡)を飛行した事実が確認されたが、韓国と日本の当局ともに正確に把握できなかったとみられると、香港サウスチャイナモーニングポスト(SCMP)が29日(現地時間)報じた。

報道によると、中国中央TV(CC-TV)は27日、人民解放軍創設記念日(8月1日)を控えて放送した特集シリーズで、エリート空軍部隊の第1航空旅団が「バシー海峡と対馬海峡(大韓海峡の東水路)を飛行して台湾周辺を巡察する」と報じた。放送の全般に最新鋭J-20戦闘機の姿が登場し、第1航空旅団はJ-20が最初に配備された部隊という点で、J-20が直接任務を遂行した可能性が高いと、SCMPは分析した。CC-TVはJ-20の具体的な飛行時点や作戦名称を明示してはいない。

 CC-TV軍事チャンネルはこの映像を公式微博(ウェイボー)に掲載した。人民日報もこれを共有した。中国が自国のステルス機の能力を誇示し、域内の戦略的存在感を示すための動きという解釈が出ている。今回の飛行が単なる戦力示威以上の意味を持つということだ。

SCMPは「対馬海峡は韓国と日本の間の狭い戦略的水域で、東海(トンヘ、日本名・日本海)と東シナ海をつなぐ要衝地」とし「この地域は米軍のTHAAD(高高度防衛体系)を含め、米国・韓国・日本の先端レーダー監視網が集中する区間」と指摘した。にもかかわらず今回のJ-20の通過は韓国と日本のどちらにも探知、報告されていないということだ。

中国軍事ブロガーも関連内容を取り上げた。ブロガーの淡然小司は「理論上、韓国と日本のレーダーは対馬海峡全域を監視する」とし「今回の未探知事例はJ-20のステルス性能がすでに韓米日の先端レーダーを回避できるレベルに到達したことを意味する」と主張した。

J-20は中国が米国のF-35に対抗するために開発した第5世代ステルス機。特殊コーティングと構造設計を通じてレーダーに露出する断面の大きさがF-35に匹敵すると、中国当局は説明する。年間120機のJ-20を生産する中国は今年末まで400機のJ-20を運用する予定という。

中国軍用機の大韓海峡東水路進入は今回が初めてではない。2016年と17年にも旧型J-11戦闘機およびH-6K爆撃機が同水域を通って東シナ海から東海に飛行した。2021年と22年には中国軍艦艇が大韓海峡の東水路を通過して東海に進入した。昨年11月には中国とロシアの軍用機が東海と韓国南側の韓国防空識別圏(KADIZ)に進入してから離脱した。KADIZは自国の領空に接近する軍用航空機を早期に識別して対応するために設定する任意のライン。個別国家の主権が及ぶ領空とは異なるが、他国の航空機が進入する前に事前通報するのが国際慣例だ。

ただ、SCMPは中国のJ-20飛行公開を日本に対する牽制という側面でみている。SCMPは「今月初め、日本と中国は東シナ海で両国軍用機間の接近をめぐり互いに非難した」とし「CC-TVの報道は中国人民解放軍創立98周年を控えて北京と東京の緊張が高まる中で出てきた」と伝えた。

2025/07/31 07:42
https://japanese.joins.com/JArticle/336957

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