◇台湾圧迫に乗り出した中国
韓国の発表からは抜けていたが、中国はこの日の会談で台湾問題に集中した。王外相は「韓国が『ひとつの中国』の原則順守と、台湾問題を適切に慎重に処理することを希望する」と話したと中国外交部は伝えた。王外相はまた「韓中はともに貿易保護主義に反対し国際自由貿易体系を守り円滑な産業網・供給網を保障しなければならない」と話した。米国中心の対中牽制の動きを意識したと分析される。韓国が最近米英豪の安全保障同盟AUKUSの「ピラー2」参加を検討していることに対しても中国側が懸念を示した可能性がある。
中国は尹錫悦政権発足後に韓中関係が反騰の機会さえつかめないまま底点を維持する原因を昨年4月の尹大統領の外信インタビューに求める。台湾問題と関連して「力による現状変更に絶対反対する」とした尹大統領の発言を問題視するものだ。
それでも今回の会談結果を発表しながら中国側が台湾問題を前面に押し出したりこうした具体的な不満を示すことなく原則的立場表明に替えたことは自国の原則を主張するが韓国を圧迫するようには見えないようにする意図とみられる。趙長官もまた「対外関係をゼロサム関係で認識しない」「溝が対立に飛び火しないよう注意深く管理しよう」として米中対立の局面が韓中関係に否定的な影響を及ぼさないように管理するという意志を強調した。
◇ハイレベル交流後押しするか
この日の会談で両国がハイレベル交流に共感を形成したのも成果だ。習近平中国国家主席の訪韓問題も昨年11月の外相会談に続き再度議論されたという。だが韓国外交部はこれに直接言及はしなかったが、習主席の訪韓に過度に期待するような誤解を生まないようにしたものとみられる。
26~27日のソウルでの開催を推進している韓日中首脳会議に対する詰めの協議も行われたが近く日時を正式発表できるか注目される。3カ国首脳会議には中国側から李強首相が参加する。韓国政府内では李首相の訪韓が予定通りになされれば習主席が訪韓するのを待つ前に尹大統領が先に訪中する名分が設けられるとの見方もある。
中国が11月の米国大統領選挙を念頭に米国の同盟・友邦を引き寄せると同時に韓米日3カ国の結束を持続的に牽制しようとするだろうという分析もある。亜洲(アジュ)大学政治外交学科のイ・ワンフィ教授は「今月末に韓日中首脳会議を控え韓中両国が大きな対立なく和合する姿を見せたのは明らかに肯定的な成果。中国の立場では最近のLINEヤフー問題で韓日間に広がる隙間に食い込もうとするかもしれない」と話した。
2024/05/14 17:08
https://japanese.joins.com/JArticle/318639