米国のトランプ大統領が提示した相互関税の猶予期限が2日後に迫る中、韓国の内外では全国民主労働組合総連盟(民主労総)や進歩党といった左派勢力を中心に反米を叫ぶ声が相次いでいる。民主労総のハム・ジェギュ副委員長は、6・25戦争(韓国戦争)停戦協定72周年を迎えた今月27日、ニューヨークのタイムズスクエアで開催された集会に出席し「光復(日本による植民地支配からの解放)80周年を迎えたが、主導権と支配のバトンが日本から米国に受け継がれただけで、間接統治の手段・方法がより緻密になって憂鬱(ゆううつ)な状態にあるのが大韓民国の現実」だとして「韓国は米国の雇い兵国家ではない」と主張した。
ハム副委員長は過去に韓米合同演習の中止や、韓米間の防衛費分担特別協定(SMA)の廃止などを要求してきた人物だ。韓米間の関税交渉を「米国の収奪ロードマップ」と規定した論評を共有したこともある。ハム副委員長はこの日「米国は韓半島を解放した国なのか」「韓国は本当に解放されたのか」と米国に対して露骨な非難を浴びせた。さらに、在韓米軍が韓半島を「戦争地域」にしていると批判し「韓国は米国の雇い兵国家ではない」「韓半島をはじめ全ての場所は米国の戦争基地にはなり得ないし、この程度になればむしろ米国が韓国に駐留経費を払うのが適切ではないか」と主張した。また、2023年8月に韓米日3カ国の首脳が発表した共同声明「キャンプ・デービッドの精神」について「北朝鮮・中国・ロシアを敵と規定した」として「韓国は隣国と敵になりたくない。敵対化計画を今すぐ中止せよ」と訴えた。
この日の集会は、今月25-27日に行われたフォーラム「ピープルズ・サミット・フォー・コリア(People’s Summit for Korea)」の一環で開催されたもので、パレスチナの武装組織ハマスを支持する人々も参加していたことが分かった。米国務省は1997年10月、ハマスを「外国テロ組織(FTO)」に指定し、財務省もハマスを「特別指定国際テロリスト」に分類して関連資産を凍結するなどの制裁を加えている。今回のイベントに参加した韓国の左派系市民団体メンバーたちからは「米軍が1945年の解放から現在まで占領軍のように振る舞い、皇帝のように君臨している」「米帝は過去80年以上にわたり、体制を崩壊・転覆・吸収統一しようとする敵対政策によって朝鮮(北朝鮮)を悩ませてきた」「韓国の統一運動はまた別の意味での反帝国主義自主運動」という発言も飛び出したという。
こうした中、韓国国内でも院内政党の進歩党が、駐韓米国大使館をはじめ韓国全土で「トランプの収奪阻止100時間非常行動」を開始した。進歩党の金在姸(キム・ジェヨン)常任代表は「古い同盟観を超えた国益中心の多国間外交を早急に模索すべきであり、現代自・起亜の利益だけを保障することや、日本より良い結果を出すことが基準になってはならない」とした上で「李在明政権はわが国民を信じて、肝を据えて堂々と職務に臨んでほしい」と述べた。金民錫(キム・ミンソク)首相の実兄キム・ミンウン氏は自身のSNS(交流サイト)で「トランプの米国は『ヤンキー帝国主義の最終段階』であり、没落に向かっている帝国と運命を共にする理由は全くない」とつづった。
ワシントン=金隠仲(キム・ウンジュン)特派員
2025/07/31 10:47
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