韓国造船「ビッグ3」時価総額の2.4倍「MASGAファンド」…どこにどのように使われるか(2)

投稿者: | 2025年7月31日

◇韓国政府が造船業ファンドに積極的だった理由

金室長はこの日の会見で「交渉中に『造船業ファンドをもっと拡大できる』と伝えたが、米国側は『それほど投資先がない』と難色を示した」と説明。韓国造船業の米国市場進出効果が確実な造船業ファンドに、韓国政府が積極的だったといことだ。

 ドナルド・トランプ大統領の「造船業復活」への意志は、これまで何度も確認されている。米国は海軍力を拡張中の中国を牽制(けんせい)するため、2054年までに300億ドルを投じて艦艇364隻を新規建造する計画をすでに発表している。LNG船、コンテナ船など商船の需要も続いている。

しかし、米国の世界造船受注シェアは昨年時点でわずか0.5%にとどまる(クラークソン・リサーチ調べ)。安全保障上の理由から中国製クレーンの交換予算(2029年までに200億ドル)を投入したが、米国内の生産能力が不足しているのが実情だ。

商船建造技術が日本より優れ、イージス艦などの戦闘艦建造能力とクレーン製造技術も備えている韓国造船企業にとって、米国の造船業復活の流れに乗るチャンスになるかもしれない。ある造船業界関係者は「米国の造船業復興はバイデン政権から始まった政策で、政権交代があっても続くとみられ、長期的な収益源となる可能性がある」と語った。

韓米関税交渉妥結のニュースが伝わった31日、韓国内の造船企業株は急騰した。ハンファグループの金東官(キム・ドングァン)副会長が直接米国に飛び、関税交渉を側面支援したハンファオーシャンは、午前11時30分時点で前日比13.54%上昇したほか、HD現代重工業(5.10%)、サムスン重工業(1.69%)も上昇基調を示した。

ただし、ソウル大学造船海洋工学科のイ・シンヒョン教授は「米国が韓国の投資金と技術力で造船業を再建しても、十分な発注を行うかは疑問だ」と述べ、「初期から過度な投資に出るのではなく、1を得たら1を差し出す『サラミ式投資』(小出し投資)が必要だ」と指摘した。

同盟国に戦略資源の修理を任せる装備拠点運営維持体系(RSF)事業を推進中の米国が、MRO分野で韓国に積極的な役割をさらに要求してくる可能性もある。現在、韓国は軍艦の建造・修理を海外に任せられない米国の「バーンズ・トレフソン法改正法」のため、非戦闘艦に限ってMROを請け負っている。しかし、トランプ大統領が「例外」を認めれば、戦闘艦のMROも担えるとの見方も出ている。韓米国防長官はこの日、電話会談で「艦艇MROなど同盟協力を拡大しよう」と約束したという。

2025/07/31 15:27
https://japanese.joins.com/JArticle/337006

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