「トランプ人脈」ロビイストを雇った国々、関税交渉でほとんど成果上げられず

投稿者: | 2025年8月11日

米国との通商交渉の局面で、多くの国々が巨額を投じてロビイストを雇ったものの、関税“爆弾”を回避するうえでほとんど成果を上げられなかったと海外メディアが評価した。実務陣を相手にする従来型のロビー活動よりも、首脳同士の直接的な意思疎通によるトップダウン型のアプローチの方が効果的だったという意味だ。

米政治専門メディアのポリティコ(Politico)は9日(現地時間)、「少なくとも30カ国が数千万ドルを費やしてドナルド・トランプ大統領とつながりのあるロビイストを雇った」としながらも、「しかし過酷な関税を避けるには、それがほとんど関係がないように見えた」と分析した。従来はロビイストと接触した官僚が大統領の政策に影響を及ぼすやり方が通用したが、トランプ政府では大統領が自分の判断や人間関係を優先して取引に臨んだために起きた現象だ。

 代表的な事例としては、メキシコとカナダの対照的な関税の結果が挙げられる。メキシコはロビイストの雇用を最小限にとどめ、その代わりクラウディア・シェインバウム大統領が直接トランプ大統領と意思疎通する戦略を採った。シェインバウム氏は、トランプ氏が関税を発表した後の今年2月と3月に繰り返し電話でやり取りし、関税を立て続けに猶予させたことがある。

その結果、メキシコは当初課される予定だった30%の関税を25%水準で維持している。トランプ氏は7月31日、シェインバウム氏と再び電話会談を行った後、この措置が90日間維持されると発表した。ポリティコは「シェインバウム氏が、気まぐれなトランプ氏と揺るぎない関係を築くために数カ月間努力した結果だ」と説明した。

一方、カナダは州政府が多数のロビイストを起用したにもかかわらず、35%の関税爆弾を避けられなかった。カナダ10州のうち5州がロビー会社を雇い、米国の官僚や議会関係者に精力的に接触したが、トランプ氏は全く動かなかった。むしろホワイトハウスは7月、「フェンタニルやその他違法薬物の流入を阻止することに協力せず、こうした脅威に対処する米大統領の措置に報復した」として、カナダにフェンタニル関税を追加した。

インドもまた、トランプ氏に疎まれ、不利な関税の結果を受けた事例だ。インドはトランプ発の関税戦争で25%の高率関税を通告されただけでなく、米国の要求事項であるロシア産原油の輸入中断措置を受け入れなかったため、さらに25%の追加関税を課された。

ポリティコは、ナレンドラ・モディ首相がトランプ氏と直接意思疎通を試みなかったことも50%の関税爆弾に影響したとみている。強い指導者像を追求するモディ氏が、トランプ氏から叱責を受ける状況を懸念して電話を避けた結果、逆にトランプ氏の怒りを買ったという解釈だ。

このため、インドが今年4月にトランプ氏の長年の側近である元ホワイトハウス上級顧問のジェイソン・ミラー氏を起用した努力は水泡に帰した。ポリティコが入手した米司法省への提出文書によれば、インド政府は戦略的助言や対政府関係支援、イメージ管理や広報などのために、ミラー氏に年間180万ドル(約2億6600円)を支払う契約を結んでいた。

ポリティコは、ロビイストを雇った韓国と日本が15%程度の関税にこぎつけた事実も伝えた。ただし、韓国・日本をはじめ多数の国と契約を結んだ大手ロビー会社マーキュリー・パブリック・アフェアーズが、エクアドルやリビアなど一部の国に対しては満足のいく成果を上げられなかった点も指摘した。韓国と日本の双方が対米投資や自国の貿易障壁緩和など、トランプ氏が望む交渉案を提示したことが、ロビイスト活動よりも奏功した可能性がある。

ポリティコは、関税実施後も例外条項など抜け道を探る動きによって、米国のロビー業界が依然として好況であるとも報じた。同メディアは共和党系のあるロビイストの言葉を引用し、「トランプ大統領が二国間の通商関係を再定義しようとしているという視点で臨み、その条件下で彼と交渉する方が良かった」と伝えている。

2025/08/11 08:41
https://japanese.joins.com/JArticle/337403

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