アンディー・キム上院議員「在韓米軍関連の決定、韓国との対話が先行すべき」

投稿者: | 2025年8月21日

 米国初の韓国系連邦上院議員であるアンディー・キムさん(民主党、ニュージャージー)は、「在韓米軍の駐留人員に関する議論は、必ず韓米パートナーシップの基盤の上で行われなければならない」と述べた。

 25日に米ワシントンで行われる韓米首脳会談で、トランプ大統領が韓国の防衛費の大幅引き上げを要求してくるとともに、在韓米軍の削減を迫ってくる恐れがあることについて、キム上院議員は20日午後の韓国記者団との懇談会で、「在韓米軍に関する重要な決定が韓国を驚かせてはならず、真の対話が先行しなければならない」と強調した。そして「拡大抑止についての米国の約束は確固たるものであり、朝鮮半島とインド太平洋地域の様々な挑戦に対応していくだろう」とし、「朝鮮半島に拡大抑止を十分に提供するという米国の意志は、必ず維持されるだろう」と述べた。また同氏は「私と議会の両党の議員はみな、朝鮮半島の米軍駐留の維持に非常に強い意志を持っている」とし、「在韓米軍駐留に関して主要な変化があれば、議会が必ず監視役を果たす」と述べた。

 キム上院議員はタミー・ダックワース上院議員とともに、米議会を代表して韓米造船業協力を進展させるために訪韓した。18日に李在明(イ・ジェミョン)大統領、ウ・ウォンシク国会議長と対面し、19日にはハンファオーシャン、HD現代、サムスン重工業の国内造船業3社、外交部、国防部、産業部、防衛事業庁の関係者と懇談会を行い、「MASGA(マスガ)」と呼ばれる韓米造船業協力の具体化について議論した。

 キム上院議員はこの日、記者団に「造船業は米国と韓国がウィンウィンとなりうる領域の代表例」だとして、「韓国は造船分野の超大国であり、自信を持って米国との協力に取り組んでほしい」と強調した。同氏は「この分野での米国の力量はゆっくりしたものだが、韓国との協力でその発展速度は上がるだろう」とし、「私自身、そして議会の超党派的支持も確固たるものであり、法案や資源など、必要なあらゆる支援を惜しまない」と述べた。

 韓国企業は米国が投資ばかりを要求し、「ジョーンズ法」(米国内の港間の海運は米国で製造された船舶のみ可能)のような規制の緩和には消極的だと懸念しているという指摘に対しては、同氏は「まずは現行の法律内で協力が可能な事柄を把握している」とし、「今回の韓米首脳会談の成果を見てから、必要なら法改正についても早急に動きうる。米議会内では韓米造船業協力に対する超党派的な支持が非常に強いため、実質的に両国に必要な改革であれば時宜にかなった対処が可能だ」と述べた。「必要なら造船業協力について韓米両国議会の協力や米国、韓国、日本の議会同士の協力も提案する計画」だとも語った。同氏は韓国に続き日本も訪問する予定だ。

 最近、中国の官営メディアが韓米造船業協力について「米国は造船業の再活性化に集中することで、次第に韓国と日本を自国の防衛産業に統合させたがっている」と警戒を示したことについて、キム上院議員は「むしろ(中国の)あのような反応は、韓米関係の強化の必要性を強調する」とし、「中国とも様々なイシューで対話はできるが、我々の安保と経済のための行動に対して中国の許しは必要ない」と述べた。

 在韓米軍の中国けん制機能を強化する「韓米同盟の現代化」に同意するよう米国が韓国に求めていることについては、同氏は「韓米同盟は70年あまり前に始まっており、現在直面している挑戦と脅威の様相は過去とは異なる」とし、「同盟の役割については、インド太平洋地域内の様々な挑戦を考慮して資源を柔軟に活用するが、朝鮮半島での拡大抑止を決して疎かにしないようにする」と述べた。

 同氏は、李在明大統領と対面した際に「今のように変化する時期には韓国の役割が絶対に必要であり、訪米前に日本に立ち寄ることにしたのはすばらしいと李大統領に伝えた」と語った。同氏は「李大統領が韓米関係を重視していること、韓米経済パートナーシップの深化と米韓日3者協力に対して確固たる意志を持っていることを再確認した」とし、「李大統領は、挑戦的な時期に韓国がグローバルなリーダーシップを発揮する覚悟であることを強調した」と語った。

 アンディー・キムさんは1982年にマサチューセッツ州ボストンで生まれた移民2世。シカゴ大学で政治学を専攻し、英オックスフォード大学で国際関係学の博士号を取得。米国防総省とホワイトハウス国家安保会議(NSC)に勤務した。2018年にニュージャージー州の連邦下院議員に当選。トランプ大統領の大統領選挙での敗北を不服としたトランプ支持者たちが2021年1月6日に議事堂に乱入した際、めちゃめちゃになった議会で夜明けまで黙々とゴミを片付ける姿が報じられ、全国的に有名になった。昨年11月には韓国系初の米連邦上院議員に当選。42歳の同氏は、米国で最も若い連邦上院議員の1人。

 アンディー・キム上院議員はこの日、韓国記者団に「両親は朝鮮戦争の渦中に生まれ、約50年前に米国に移住した」とし、「米国史上初の韓国系上院議員として今回初めて訪韓したことは、私にとっても非常に意義深い時間」だと話した。そして「今回の訪韓を通じて私が韓米のかけ橋役を果たせる人間、生まれた場所と血統が続いてきた場所との関係を象徴する人間として、韓国人に受け入れられるよう願う」とも付け加えた。

2025/08/20 18:40
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/54022.html

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