白い枕に血で書いた「110 625」…30時間監禁された中国女性のSOS

投稿者: | 2025年8月25日

中国でデリバリーの配達員の鋭い観察力によって、30時間にわたり監禁されていた女性が救出されたという出来事が話題になっている。

24日、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、今月12日、中国四川省楽山市(ルーシャン)でデリバリーのアルバイトをしていた大学生の張さんが、住宅街近くの道路脇で血のような赤い染みがついた白い枕を発見したという。この枕には、濃い赤色のインクで「110 625」と数字が書かれていた。「110」は中国の警察緊急通報番号で、日本の「110番」、米国の「911」に当たる。張さんは、これが誰かの助けを求めるサインだと考え、警察に通報した。

 通報を受けた警察は、暴力犯罪や誘拐の可能性も視野に入れて捜査を開始した。近隣ホテルの従業員が、「この白い枕はある民泊施設で使われているものだ」と証言し、警察はその建物の6棟目の25階に向かった。ドアを強制的に開けて室内に入ると、警察は寝室に30時間閉じ込められていた家主の女性を発見した。

女性は掃除のため部屋に入った際、突風でドアが勢いよく閉まり、ロックが壊れて中に閉じ込められてしまったという。携帯電話はリビングに置いたままで、助けを呼ぶこともできなかった。彼女は赤い服を窓に掛けたり、物を外に投げ落として注意を引こうとしたが、誰にも気づかれなかった。絶望的な状況の中、女性は自らの指を噛んで血を出し、それで白い枕に「110 625」と書いて窓の外に投げたという。トイレにも行けず、水も飲めないまま、精神的にも極度の苦痛と恐怖にさらされていた。

その後、無事に救出された女性は、感謝の気持ちとして張さんに1000元(約2万円)を渡そうとしたが、張さんは「ほんの小さな親切に過ぎない。誰でも警察に通報したはずだ」と言って、固く断った。この出来事が報じられると、張さんは勤務していた生活サービスプラットフォーム企業「美団」から「パイオニア・ライダー(Pioneer Rider)」の名誉称号と、報奨金2000元を授与された。

ネットユーザーたちは、「ライダーの観察力がすごい」「ただ料理を配達して終わることもできたのに、責任感を持って行動したのが立派だ」と称賛の声を寄せている。

2025/08/25 11:12
https://japanese.joins.com/JArticle/337946

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