102年間も恨の解けない関東虐殺の犠牲朝鮮人…遺族「せめて遺骨を」

投稿者: | 2025年9月1日

 「頭を刀で切られて、何とか生きて帰ってきた方から、大叔父の死を聞かされたのが全てでした」

 31日に東京の明治大学で開催された「関東大震災朝鮮人・中国人虐殺102年犠牲者追悼大会」で、遺族のチョ・グァンファンさんは悲しみを飲み込みながら、このように語った。チョさんは「大叔父は日本に行ってから3年で朝鮮人虐殺の犠牲者になった」として、「日本政府が100年以上も歴史的事実を認めも反省もしない間に、被害者が(歴史歪曲などで)加害者にされるということまで起きている」と、もどかしい胸の内を吐露した。慶尚南道居昌(コチャン)出身のチョ・グォンスンさんは、関東大震災発生の翌日の1923年9月2日に日本人に殺害された。その後、遺族は故郷に墓を建て、今も祭祀を行う際には日本に向かって黙とうするという。遺族のチョさんは「遺体のない墓には生前の服や靴などが埋めてあるだけ」だとして、「今も、遺骨だけでも見つけたい」と訴えた。

 関東大震災朝鮮人虐殺事件は、1923年9月1日に日本の首都圏で起きた大地震の混乱の中で6千人あまりの朝鮮人、800人あまりの中国人らが犠牲になったもの。「朝鮮人が井戸に毒を入れた」、「朝鮮人が日本人の家に火をつけている」などのデマを口実に、軍、警察、自警団によって罪のない朝鮮人らが虐殺された。8月23日に韓日首脳会談を行うために訪日した李在明(イ・ジェミョン)大統領は、虐殺現場の一つとなった東京の荒川の河原について触れつつ、「100年前の恐ろしい歴史…日本各地に散らばった魂を忘れない」と語った。

 しかし日本政府は「過去の事実を網羅した確たる記録が見つからない」という態度を崩していない。小池百合子東京都知事も、毎年9月1日に行われる朝鮮人犠牲者追悼式に今年も追悼文を送らないことを決めている。「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式実行委員会」は8月25日、小池知事を「看過できない深刻な問題」と批判している。

 100年を超える歴史を正す努力は続いている。韓日の市民団体は、虐殺現場となった東京の横網町公園での9月1日の追悼式をはじめ、1カ月以上にわたって全国各地で追悼行事を行う。日本側でも、野党の国会議員からなる「関東大震災朝鮮人虐殺を検証する有志議員の会」が29日、石破首相と政府に「関東虐殺の真相究明、朝鮮人が殺害された事件が起きたことを正式に認めること」などを求める要請書を提出。立憲民主党の杉尾秀哉議員はこの日の追悼式で「歴史の真実を闇の中に放置せず、市民とともに真相究明に努めていく」と述べた。

 歴史を否定する日本政府の態度が排外主義へとつながり、日本社会にも悪影響を及ぼすだろうとの指摘もある。著書『地震と虐殺 1923-2024』で関東虐殺を扱った安田浩一さんはこの日の基調講演で、「差別こそが、関東大震災において人間が人間を殺害するという事件を引き起こした」として、「歴史を否定する態度が再び差別をあおるという悪循環を生み出している」と批判した。

2025/08/31 21:12
https://japan.hani.co.kr/arti/international/54100.html

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