多額の累積赤字抱える韓国電力、社長が電気料金引き上げを訴え

投稿者: | 2024年5月16日

韓国電力公社の金東喆(キム・ドンチョル)社長は16日、「最小限の電気料金正常化は必要であることを政府当局に懇切に訴えたい」と明らかにした。金社長はこの日の記者懇談会で、「韓国電力の努力だけでは大規模累積赤字をこれ以上耐えることのできない限界に直面した」としてこのように強調した。

韓国電力は連結基準で直近3四半期連続の営業黒字を記録した。1-3月期の営業利益は1兆3000億ウォン(約1493億円)に達する。韓国電力は2021年から昨年まで3年連続で営業赤字を記録し今年は4年ぶりに黒字転換する可能性がある。しかし累積赤字約43兆ウォンを解消するには依然として力不足という哀訴だ。昨年基準で年間利子費用は4兆5000億ウォンに達するからだ。

 韓国政府は2022年に電気料金を3回、昨年も3回にわたり引き上げた。しかしこれだけでは不十分で、さらに「相当幅」で料金を上げなければならないということだ。

金社長が電気料金引き上げの必要性を説明しながら「正常化」という表現を使ったのは、韓国電力が相当期間にわたり販売価格がコストより低い逆マージン構造で電力を供給しているからだ。2022年に購入電力単価が1キロワット時当たり162.5ウォンだったが販売単価は1キロワット時当たり120.5ウォンにすぎなかった。

このため韓国の電気料金は海外と比較して低い方だ。経済協力開発機構(OECD)加盟国では最低水準だ。金社長は「エネルギーの93%を輸入する韓国の電気料金が資源大国オーストラリア(1キロワット時当たり311.8ウォン)の半分に満たない」と強調した。日本(318.3ウォン)、イタリア(335.4ウォン)、英国(504.3ウォン)などと比較すると差はさらに広がる。

金社長は「もし電気料金正常化がなされなければ急増する電力需要に備えた電力網投資と停電・故障予防に向けた必須電力設備投資はさらに先が見えなくなるだろう」と心配した。

電気料金引き上げを先送りして韓国電力が倒れればそれが終わりでない。時間の問題であるだけに結局国民全体の負担として戻ってくる。フランスは昨年赤字に耐えられなかった電力公社を100%国有化した。

韓国政府も電気料金引き上げの必要性に共感する。産業通商資源部の安徳根(アン・ドックン)長官は7日、「電気・ガス料金正常化は必ずしなければならず至急だ」と話した。問題は「いつ」上げるかだ。

企画財政部は1月「上半期の公共料金は凍結基調」と明らかにしただけに7月以降になる見通しだ。夏は過ぎる可能性が大きい。夏には電力需要が多く電気料金を上げれば国民の反発が大きくなるからだ。さらにこの夏は歴代級の猛暑になると気象庁は予想する。韓国電力より韓国ガス公社の財務状態が深刻な点もやはり電気料金引き上げを遅れさせる要素だ。政府はガス料金引き上げを優先することにウエイトを置いている。

2024/05/16 17:09
https://japanese.joins.com/JArticle/318735

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