祖国革新党のスポークスパーソンを務めるカン・ミジョン氏が4日、記者会見を開き「同志だと信じていた人々のセクハラ(性的嫌がらせ)や強制わいせつ行為、嫌がらせを目にし、対抗してきた。しかし、党は被害者たちの叫びを無視した」と言った上で離党した。カン・ミジョン氏が言及した事件とは、祖国革新党の女性党職者が上の立場の人間からタクシーやカラオケ店などで数回にわたり強制わいせつ被害に遭ったとして、今年4月に警察に告訴したというものだ。カン・ミジョン氏もこうしたセクハラ事件の被害者の1人だ。祖国革新党は「加害者に対して除名・党員権停止などの懲戒処分を下し、被害者の要求事項を全て受け入れて関連手続きを終えた」と言ったが、カン・ミジョン氏は党による2次加害を主張している。
カン・ミジョン氏は「党倫理委員会と人事委員会は加害者に近い人物で構成されており、被害者たちはまた別の被害を受けた。被害者を救おうとした党職者は懲戒処分を受けて退職届を提出し、党の刷新を主張した市党委員長は除名された」とも言った。この言葉が正しいとすれば、祖国革新党は組織的に隠蔽(いんぺい)・もみ消しを図り、被害者やそれを助けた人々に不利益を与えたということになる。
祖国革新党の曺国(チョ・グク)前代表=現・革新政策研究院長=の息子についてインターン活動確認書を虚偽で作成したとして2023年に有罪判決を受け、国会議員を失職したものの、今年の光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)特別赦免で復権し、共に民主党教育研修院長に就任した崔康旭(チェ・ガンウク)元議員も「2次加害」で非難の対象になった。崔康旭院長はこの件に関して「(セクハラ問題は)生きるか死ぬかというような問題だろうか」などの発言をしたという。崔康旭院長を任命した共に民主党の鄭清来(チョン・チョンレ)代表は党倫理監察団に真相調査を指示した。
普段から「人権」や「ジェンダーに対する感受性」を強調している、いわゆる「進歩(革新系)」政党で性的問題の不祥事が絶えないのは特異な現象だ。1回限りではなく、忘れたころにまた発生する。そのほとんどが上位者が部下に対して行うという権力型だ。被害者が問題提起すると、党は隠蔽・もみ消しを図り、それでも被害者が抵抗すれば2次加害をするというのも、ほぼ公式のようになってしまっている。
朴元淳(パク・ウォンスン)元ソウル市長のセクハラ問題が発覚するや、元市長が所属していた共に民主党は被害者のことを「被害を訴えた人物」と呼び、支持者たちは朴元淳元市長を美化する映画の製作を試みた。元忠清南道知事、元釜山市長の事件も同様だった。ある元議員は自身のために9年間働いた補佐官に対してセクハラをしたとして二審で懲役刑の判決を受けた。まだ明らかになっていないセクハラ事件も少なくないと言われている。正義党=現・民主労働党=も2021年、党代表が同党議員にセクハラをしたことが明らかになって辞任し、翌年には青年代表が党内で性的暴行にあったと暴露した。このような人々が「進歩」を自任して汎(はん)与党陣営を形成し、国会を掌握している。
2025/09/05 11:00
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