「1カ月2100億ウォン(約223億円)、一日70億ウォン」。米国の自動車関税が15%でなく25%である場合、韓国自動車業界に生じる損失推算額だ。
トランプ米大統領が4日(現地時間)、日本産輸入品相互関税15%、自動車品目別関税15%を骨子とする米日貿易合意を公式的に履行する内容の行政命令に署名した。両国の貿易合意から44日ぶりだ。これで米国は日本産輸入品のほぼ全体に15%の関税を適用し、自動車および自動車部品に15%関税を適用する。米国はその間、日本産自動車に従来の関税2.5%に品目別関税25%を加えた27.5%の関税を課してきた。韓国は日本より8日後の7月30日に関税交渉が妥結したが、行政命令が遅れ、対米自動車輸出競争国の日本との価格競争力でひとまず遅れをとることになった。
トランプ大統領が欧州連合(EU)に続いて日本との関税交渉に関する行政命令に署名したことで、韓国はこれらの国より10%ポイントほど高い関税を負担しながら対米輸出市場で競争するしかない。韓国の輸出はすでに厳しい状況を迎えている。産業通商資源部の集計の結果、8月の対米国輸出額は87億4000万ドルと、前年同月比で12.0%減少した。新型コロナ危機当時の2020年5月(-29.4%)以来5年3カ月ぶりの最大落ち幅だ。25%の関税直撃弾を受けた自動車と自動車部品の対米輸出額(先月1~25日基準)が前年同期比3.5%減、14.4%減となり、全体の輸出額が減少した。
韓国通算当局には足元の火だ。7月30日、韓国政府は対米3500億ドル規模投資をテコに関税を25%から15%に引き下げる合意案を米国から引き出した。しかし公式文書までは受けていない。
産業部の関係者は「引き続き(米国と)協議している」と明らかにした。続いて「特に自動車品目関税などで米国と合意をした主要国はEUと日本、韓国ほど」とし「(初期交渉当時)政権はまだ発足していなかったうえ、合意も遅れた側面があり(明文化に)時間がかかる」と説明した。
しかし終盤の交渉が難航している。通商当局は先月25日の韓米首脳会談で共同合意文に15%関税を明示する案を推進したが、不発に終わった。韓国が約束した3500億ドルを▼いつ(時期)▼どのように(調達方式)▼どこに(投入先)投資するのかを先に明文化するべきという米国側の要求のためだった。
産業部の当局者は「今回の米日行政命令も最初に発表した合意案より非常に具体的な項目が入っている」とし「大きな枠組みでは(韓米合意案に)変わりはないだろうが、具体化な作業が必要だ」と明らかにした。西江大のホ・ユン国際大学院教授も「大きい枠組みで数字などは決まったが、解釈に隔たりがあるようだ」とし「3500億ドルの対米投資でも米国は直接投資の比率が高くなることを望み、韓国はもう少し裁量権を持つことを望むはず」と分析した。
大統領室の姜由楨(カン・ユジョン)報道官は「日本が完了したからといって韓国も完了するという形で接近することではない」と述べた。「韓米関税交渉の明文化に速度を出す計画があるのか」という質問には、「速度の問題ではない。交渉主導者間で最大限に国益となる点を見いだし、成果が具体化される時、最も私たちの国益になるだろう」と答えた。大統領室は今回の米日貿易合意とは関係がなく慎重に協議を続ける方針だ。
与党の関係者は電話で「米連邦控訴裁がトランプ大統領の『相互主義』関税を不法と判決するなど随所に不確実性が残存している」とし「合意文を早期に書くことが交渉を総体的に展開する過程で最終的にむしろ不利になることもあり得る」と話した。
2025/09/06 11:08
https://japanese.joins.com/JArticle/338415