「手錠」はずれ「貸切バス」から手を振る、7日ぶり解放の韓国人たち

投稿者: | 2025年9月12日

 両手は自由だった。11日(現地時間)未明、米国ジョージア州の拘禁施設から解放された300人あまりの韓国人労働者は、鎖で胴体と脚を束縛されて連れて来られたこの場所を、7日ぶりに手を振りながら去っていった。米国移民・関税執行局(ICE)のバスではなく、会社から提供された貸切バスが彼らを迎えた。

 前日には実現しなかった彼らの釈放は、予定通り11日午前0時に始まり、午前2時15分ごろに終わった。前日の夜10時前後に施設の駐車場に到着した8台の貸切バスは、午前1時ごろに正門へと移動し、その20分後に乗車が始まった。私服姿の韓国人労働者たちは、列をなしてバスに乗り込んだ。

 韓国人316人と外国籍者14人(中国10人、日本3人、インドネシア1人)の計330人が8台のバスに分乗する50分あまりの間、チョ・ギジュン・ワシントン総領事ら現場対策班のメンバーは、バスの扉のそばに立って彼らを見送った。何人かは対策班と手を取り合い、頭を下げながら対策班に感謝を伝えた。バスに乗り込んだ彼らの中には、取材陣に向かって時々両手を振る人もいた。この日、拘禁施設の職員は彼らに「手錠をかけないようにするために釈放を遅らせたのだ」と語ったという。

 大韓航空のチャーター機が待機しているハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港までの移動手段は、最後まで争点となっていたとみられる。ある協力会社の関係者は前日午後、ハンギョレの電話取材に対し、「韓国領事が拘禁された人々に『手錠はかけられない。ただし、どのバスに乗って行くかは協議中だ』と言っていた」と語った。

 当初の釈放予定日だった前日には、ICEのバスが移動手段として予定されていた。ICEのバスでの空港までの移動は、拘禁された労働者が違法行為を犯したと解釈される素地がある。一方、施設の外に出た瞬間に貸切バスに乗るということは、拘禁そのものが誤りだったと受け止められうる。そのため最後まで綱引きがあったとみられる。

 貸切バスに決まってからは、韓国企業の動きは迅速だった。現代エンジニアリングは、ほとんどの労働者が拘禁されていたフォークストンの施設に8台、女性労働者が拘禁されていたスチュアートの施設には1台を用意。水やチョコレートなどのバス内の間食は、LGエナジーソリューションが用意した。

 バスは午前2時17分ごろ、列をなして拘禁施設を出発した。バスにはICEの要員も乗り込み、バスの行列の前後には警察の車両がついた。バスは430キロ離れたアトランタ空港まで、ICEに指定された経路のみを通って移動しなければならなかったため、チャーター機の離陸予定時間である正午の9時間あまり前に出発した。バスが出発するまで手を振っていた協力会社の役員は「社員には『あなたが出てくる時に、見えなくても手を振って立っている』と約束した」と語った。ほぼ同時刻、ジョージア州スチュアートの拘禁施設からも、1台のバスがアトランタ空港に向けて出発した。

2025/09/11 16:53
https://japan.hani.co.kr/arti/international/54207.html

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