韓国人は老化スピードが速い? 老化を早める意外な要因とは

投稿者: | 2025年9月14日

 老化のスピードは住んでいる国によって異なる、という研究結果が示された。人間の老化を早める要因として、社会的不平等、政治的な不安定さ、大気汚染などが指摘された。

 米紙ニューヨーク・ポスト、医学専門メディア「メディカル・エクスプレス」などによると、トリニティー・カレッジ・ダブリンの国際脳健康研究所(GBHI)は、世界40カ国の約16万人を対象に、エクスポソーム(Exposome)という分析の枠組みを活用して社会・政治・環境の要因が老化スピードに与える影響を分析し、最近その結果を発表した。

 エクスポソームとは「エクスポージャー(exposure、露出)」と「クロモソーム(chromosome、染色体)」の合成語で、個人が一生の間にさらされる環境的要因の総体を意味する。食事内容や生活方式、毒素、ストレスといった外的要因が体内で引き起こす生物学的反応までを含む概念だ。

 研究陣は、調査対象者の実際の年齢と、健康状態・認知能力・教育水準・身体機能・心血管系のリスク要因を総合して予測した年齢との差を「生体・行動年齢ギャップ(BBAG)」として算出した。このギャップが大きいほど、老化スピードが上がると研究チームは評価した。

 分析の結果、北欧の国々では若くて健康な状態で年を重ねるケースが多く「健康的な老化(老化スピードが遅い)」が起きていることが分かった。デンマークとスウェーデンがその代表例だ。

 一方、エジプトと南アフリカ共和国は、老化スピードが最も速いことが分かった。エジプト人の生物学的予想年齢は実際の年齢より平均4.85歳高く、南アフリカも実際の年齢より平均で約4歳高かった。エクアドルやコロンビアなどラテンアメリカの国々も老化スピードが速いことが分かった。

 韓国をはじめ中国、インド、イスラエルのアジア4カ国は、アフリカやラテンアメリカよりは老化のスピードが遅いものの、北欧よりは老化スピードが速かった。

 研究チームは、老化を早める中心的な要因として▲大気質の悪化など物理的環境の変化

▲経済または性別による不平等といった社会的条件▲政治参加の制約や民主主義の弱体化など政治的条件-などを挙げた。

 研究を主導したアグスティン・イバネスGBHI教授は「大気汚染や政治不安、不平等は社会だけでなく個人の健康そのものを変える」とした上で「脳の健康を個人の責任だけで考えるのではなく、環境や社会という観点から考える必要がある」と述べた。

 共著者のサンドラ・バエスGBHI研究員も「人間が健康な状態で老いていくのか、早く老化するのかは、個人の選択や生物学的な特性だけでなく、身体的、社会的、政治的環境の影響も受ける」として「このような影響は国ごとに大きな違いがある」と説明した。

 ただし今回の研究は世界190カ国以上の国のうち40カ国にとどまったため、研究結果は限定的だ。米国や日本などは今回の分析対象には入っていない。

キム・ジャア記者

2025/09/14 08:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/09/06/2025090680026.html

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