◆ビザ問題などが重なり交渉さらに複雑に
実際、先月末基準で韓国の外貨準備高は4163億ドルであり、米国が要求する投資金額はその84%水準にのぼる。日本の対米投資規模が外貨準備高(1兆3242億ドル)の41.5%である点を考慮すると、韓国の負担が相対的に大きい。また、日本の純対外金融資産は昨年末基準で3兆6200億ドルであり、韓国(今年4-6月期末1兆302億ドル)の3倍を超える。
米国は敏感な農畜産物分野でも韓国に非関税障壁の解消をまた要求しているという。韓国政府はコメ・牛肉など農畜産物の追加開放はないという立場だが、関税交渉で「果物と野菜類の輸入衛生関連協力強化」を約束していて、検疫手続き改善議論の可能性は残っている。ある通商専門家は「韓国が投資問題を受け入れられないという立場を守れば、米国は自動車関税、農畜産物市場開放など水面下の問題を再び交渉カードとして取り出す可能性がある」と話した。
さらに現代車-LGエナジーソリューションバッテリー工場の韓国人勤労者拘禁事態をきっかけに韓国政府がビザ拡大問題の解決を強く要求し、交渉はさらに複雑になる様相だ。
関税交渉が最終的に終わるまでは国内自動車企業が受ける打撃は大きい。韓国産自動車は現在、米国輸出時に関税25%が課され、日本車の関税が近く15%に下がれば、相対的に価格競争力が落ちる。今回のジョージア拘禁事態について鄭義宣(チョン・ウィソン)現代車グループ会長は11日(現地時間)、米デトロイトで開かれた「オートモーティブコングレス」で「今回の事態にかかわらず、米国市場により多くの寄与をする」とし「米国は現代車グループにとって最も大きくて重要な市場」と強調した。
しかし業界では「関税の不確実性が長期化すれば韓国企業の対米投資拡大計画にも負担になる」という見方が出ている。米国に大規模な投資をする企業の関係者は「最も大きな問題は、投資判断時に重要視していた米国市場の予測可能性と信頼性が崩れたこと」とし「約束をしてもいつでも言葉を覆すという強力な前例を残した」と指摘した。
◆韓国が受け入れがたい条件…激しい対立にも
西江大のホ・ユン国際大学院教授は「韓米交渉で米国はより一層強硬な姿勢を見せる可能性が高く、韓国も米国の要求を受け入れがたく、ハードボールゲームに向かう可能性がある」とし「国民経済的な得失と外交的含意をすべて考慮して折衷点を見つけなければいけない韓国政府のジレンマ」と分析した。
チャン・サンシク院長は「投資執行期間を長期にし、ドルスワップ締結で為替の不安を緩和し、投資分野を韓国主導の領域に狭める案が必要だ」とし「政府の負担を減らす構造に変え、その代わりアラスカエネルギー長期購買や農畜産物市場開放など他の譲歩案をパッケージで提示し、交渉の突破口を模索しなければいけない」と述べた。
2025/09/13 13:20
https://japanese.joins.com/JArticle/338663