不法移民を「全部ゲットだぜ!」 米国土安保省のポケモン無断使用動画が物議

投稿者: | 2025年10月2日

 米国土安全保障省(DHS)が日本の人気アニメ『ポケットモンスター(ポケモン)』に似た形式で不法移民取り締まり広報映像を制作したことから、現地で物議を醸している。

 米国土安全保障省は9月23日、X(旧・ツイッター)に「Gotta Catch ‘Em All(直訳:全員捕まえなければならない。英語版ポケモンで「ポケモンゲットだぜ!」に相当)というフレーズと共に約1分間の映像を掲載した。

 ポケモンに似た形式で制作した映像には、移民当局が住宅・商店・街などで不法移民を片っ端から逮捕する様子が映っている。この映像は移民が逮捕される様子とポケモンのテーマ曲・キャラクターが交互に登場する形式で展開される。そして映像の最後で、逮捕された不法移民たちはまるでポケモンカードのキャラクターのように描写されている。顔写真と共に下段には身元や前科など詳しい情報が書かれているのだ。映像に出てくる不法移民の前科は殺人・殺人未遂・小児性愛・児童わいせつなどさまざまだ。

 このような映像に、米国土安全保障省傘下の税関・国境警備局(CBP)は、ポケモンの人気キャラクター「ピカチュウ」の画像に「新入りの国境パトロール隊」というコメントを付けた。

 この映像は掲載されてから3日間で再生回数が7200万回を越え、コメントも1万7000件以上寄せられるほど注目を集めている。ネットユーザーたちの反応はさまざまだ。一部のネットユーザーは「ピカチュウを移民逮捕広報映像に利用するなんてゾッとする」「私たちは本当に話にならない状況の中で暮らしている」などと否定的な反応を示したが、反対に「これこそ私がトランプに投票した理由」など、当局の不法移民取り締まり政策を支持するネットユーザーもいた。

 著作権の問題に言及するネットユーザーも多数いた。事実、米国土安全保障省はポケモン制作会社側に画像使用に関して許可を得ていないことが分かった。

 ポケモン制作会社側は、自社のキャラクターが不法移民の取り締まり広報映像で同意のないまま使用されていることに当惑しているという。制作会社側は米紙ロサンゼルス・タイムズに送った声明で、「米国土安全保障省がこのほど当社ブランドに関する画像やフレーズを含む映像を公開したことは、当社でも認識している」「当社はこのコンテンツの制作や配布に関与していない。当社の知的財産権の使用を許可していない」と述べた。

パク・ソンミン記者

2025/10/02 08:40
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/09/29/2025092980084.html

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