韓国総合株価指数、初の3600超…「エブリシングラリー」加速(1)

投稿者: | 2025年10月11日

KOSPI(韓国総合c指数)が「3600」の壁を超えた。秋夕(チュソク、中秋)連休直後に最初の営業日となった10日、取引開始2分後に3606に達し、3610.60で取引を終えた。2日に3500を超えたが、営業日基準でわずか一日で過去最高値を更新した。

時価総額1・2位のサムスン電子とSKハイニックスの2つの代表株がKOSPI上昇を牽引した。サムスン電子は前営業日比6.07%上昇した9万4400ウォン、SKハイニックスは8.22%上昇した42万8000ウォンで取引を終えた。両社ともに終値基準で過去最高値だ。KOSDAQも前営業日比5.24ポイント(0.61%)上昇した859.49で取引を終えた。

 前日にはエヌビディアがアラブ首長国連邦(UAE)にAIチップを輸出する道が開かれ、1.8%上昇して最高値を更新した。米AI関連株が上昇し、国内半導体株も影響を受けたとみられる。

国内株式市場の急騰は世界資産市場のラリーと関連している。KOSPIは今年ビットコインを抜いて金と肩を並べた。米国・日本・中国・欧州株式市場も一斉に上昇し、グローバル資産市場で「エブリシングラリー(Everything Rally、すべての資産が上昇する現象)」が表れている。ウォール街では「悲観論者の降伏(surrender of the bears)」という診断も出ている。

中央SUNDAYと未来アセット証券リサーチセンターが集計した「17主要資産群別の今年の投資収益率」(1月1日~9月26日)によると、金(43.3%)と国内株式(41.1%、KOSPI基準)が最も高かった。米国(23%)、日本(18%)、欧州(16%)の株価も2けた上昇率となった。ビットコインもまた上昇に転じて17.43%値上がりした。グローバルREIT(8.4%)、ソウルのアパート(7.5%)、原材料(1.8%)までが上昇し、資産市場は「すべて上昇」に向かっている。

ただ、ウォン安は変数だ。10日のソウル外国為替市場で1ドル=1421.20ウォンで取引を終え、5カ月ぶりのウォン安ドル高となった。米国の関税の不確実性と対米投資負担などがウォン安を刺激した。通常、国内市場で外国人買いが増えれば両替需要でウォン高ドル安になるが、連休期間のドル高が一度に反映された。

◆5年前には流動性が主導、今回は米利下げ期待感が引き金

金は伝統的に「最後の避難所」と呼ばれるが、今回はエブリシングラリーの主役に浮上した。リスク回避需要と流動性ラリーが重なった異例的現象という分析だ。国際金相場は8日(現地時間)1オンスあたり4070.5ドルとなり、また最高値を更新した。銀の価格もこの日、取引場で49.57ドルで取引され、2011年4月以来14年ぶりの最高値更新となった。国内ではウォン安ドル高の影響で韓国ウォンでない資産を保有しようという需要までが増えた。国内では「キムチプレミアム」が付いて金3.75グラムの価格が80万ウォンを超えた。金・銀投資専門家のチョ・ギュウォン・ステコス代表は「景気沈滞懸念、金利引き下げ、インフレ、さらにトランプ発の不確実性まで重なり、金には最上のシナリオ」と説明した。

◆李在明政権の政府拡張基調で国債は逆走行

KOSPIは10日、「3600」の扉を開いた。昨年末の2399.49から上昇して3600線を超えた。「コリアディスカウント」緩和の期待が株式市場全般に広がった。新政権の商法改正と支配構造改革推進で外国人資金が流入した。半導体業況回復期待も株価を引き上げる動力となった。米国株式市場も最近の流れが尋常でない。S&P500は先月まで3カ月間に25回も過去最高値を更新した。エヌビディアなどビッグテック株はAI需要拡大の中心に立ち、暴騰傾向を継続している。

日本と欧州の株式市場も反騰した。日本は円安効果と企業支配構造改善策が重なって外国人資金が流入し、日経平均株価は昨年末の3万9894円54銭から8日には4万7734円99銭に上昇した。欧州も利下げへの期待と景気回復信号、エネルギー価格の安定でユーロストックス50が同期間に4895.98から5649.74に急騰した。グローバル流動性に政策モメンタムが加わり、株式市場ラリーが地域と国境を問わず拡散する状況だ。

エブリシングラリーは5年前にもあった。新型コロナパンデミック直後、各国政府が景気沈滞を防ぐため前例のない金融緩和をし、市場にあふれた流動性が株式・金・原油など多くの資産価格を高めた。2020年4月から12月末までS&P500は53.8%、ナスダックは72.7%急騰し、日本(45.3%)・中国(48.3%)・インド(80.8%)・ブラジル(67.4%)など主要国の株価も爆発的な上昇率となった。

当時は2008年の金融危機から7年間の流動性の70%がわずか1年間に供給された。大幅な下落からの反発買いまでが重なり、「現金はゴミ(Cash is Trash)」という声が出てくるほどだった。リスク資産と安全資産を問わずすべての資産が上昇する、まさにエブリシングラリーが生じた。

しかし今回のラリーは少し違う。ゼロ金利と量的緩和があった当時とは違い、今は高金利時代後の米連邦準備制度理事会(FRB)の「保険性利下げ」が引き金になった。パンデミック直後のようにすべての資産が一斉に上昇する様相ではない。利下げ局面にも韓国国債は逆走行した。金利が下がれば国債価格が上がる公式が国内では通用しなかった。新政権の拡張財政基調で発行量の負担が大きくなったうえ、ウォン安と為替レート不安定で外国人需要までが減少した結果だ。原油も下落して今回のラリーで疎外された。メリッツ証券のイ・ジンウ・リサーチセンター長は「ドル・金利のような伝統変数と関係がなく金が独走するように、今は流動性の効果でなく『最も確実な資産』に向かう局面」と診断した。一種の「選択的エブリシングラリー」に近いと分析する。

不動産もいわゆる「漢江(ハンガン)ベルト」など人気地域を中心に価格が上昇している。韓国不動産院によると、今年、松坡区(ソンパグ)のアパート価格は先月29日までに累計基準で13.98%上昇し、ソウルで最も高い上昇率となった。城東区(ソンドング、12.03%)、瑞草区(ソチョグ、10.86%)、江南区(カンナムグ、10.73%)なども2けた上昇率となった。半面、中浪区(チュンラング、0.4%)、道峰区(ドボング、0.41%)、衿川区(クムチョング、0.82%)、九老区(クログ、1.86%)などは2%を下回り、地方のアパート価格は依然として下落している。延世大経営専門大学院のコ・ジュンソク教授は「京畿(キョンギ)・仁川(インチョン)でも未分譲が増えている」とし「今の不動産市場は典型的な『ソウルだけのラリー』」と話した。

市場では景気鈍化と「K字(二極化)経済」に対する懸念が強まっている。雇用は停滞して景気は鈍化するが、資産市場だけが活況を帯びる不均衡への不安が深まっている。こうした中、 パウエルFRB議長は先月、「FRBは特定資産の特定価格を目標にしていないが、現在の株価は相当高い」とし、株式市場の過熱に懸念を表した。実際、米株式市場の総価値は最近、国内総生産(GDP)比363%まで増えた。ドットコムバブルのピーク(212%)を圧倒するレベルだ。西江大経済大学院のキム・ヨンイク教授は「今の株価水準は実物景気との乖離が大きい」とし「景気回復の期待もあるだろうが、利下げによる流動性増加を過大反映した状況」と指摘した。

2025/10/11 10:14
https://japanese.joins.com/JArticle/339628

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