米国が韓国と日本、オーストラリアなど同盟8カ国と半導体・鉱物連合を構成する。念願である「脱中国レアアース供給網」を構築し、半導体供給では中国を牽制するための動きだ。これを通じて人工知能(AI)競争をリードする考えだ。
ブルームバーグによると、米国は12日にホワイトハウスで韓国と日本、シンガポール、オランダ、英国、イスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)、オーストラリアの当局者と会議を開く。AI技術に必要な半導体と核心鉱物供給網を強化するためだ。ヘルバーグ米国務次官(経済担当)はブルームバーグに「核心鉱物、半導体、AIインフラ、物流・運送部門全般にわたって協定を導出すことに焦点を合わせる」と話した。
◇同盟国と脱中国供給網構築へ
事実上中国依存を低下させようとする努力だ。半導体生産(韓国)、半導体装備(日本、オランダ)、レアアース(オーストラリア)に強みがある国と中国を排除した供給網を作ろうとするものだ。これを通じAI分野で中国の追撃を振り払う考えだ。ヘルバーグ次官は「AI市場は米国と中国の2強体制。われわれは中国と競争する準備ができている。米国企業が(供給網)依存に苦しまずに革新的技術を開発できることを望む」と話した。
米国が重点を置くのはレアアースに代表される核心鉱物供給網構築だ。米国は中国産鉱物への依存を減らすため努力してきた。第1次トランプ政権はリチウムとコバルトなど核心鉱物供給網確保を目標に「エネルギー資源ガバナンスイニシアチブ」を発足させた。バイデン政権でも開発途上国の鉱山部門に西側の投資と技術を誘致するための鉱物安全保障パートナーシップを作った。
◇中国のレアアースに力出せなかったトランプ関税
それにもかかわらず中国のレアアース支配力は相変わらずだ。国際エネルギー機関(IEA)によると、中国は世界のレアアースと永久磁石精製能力の90%以上を保有している。これはトランプ政権の対中交渉力を低下させた。米国の関税威嚇に対し、中国は10月にレアアース輸出規制措置を発表した。中国の圧迫に米国は同月末に慶州(キョンジュ)で開かれた米中首脳会談で中国に適用した「フェンタニル関税」を10ポイント引き下げ、中国はレアアース輸出規制措置を1年猶予した。
米国は信頼できる同盟国と米国中心の独自の供給網構築目標に再挑戦中だ。ヘルバーグ次官はこの日国務省職員に送ったメッセージで「数十年間の失敗した世界化は国内産業も保護できず核心供給網も守れなかった。米国は途轍もない資産と技術的優位を活用してリーダーシップを確保し、その恩恵は米国民に返らなくてはならない」と話した。
すでにトランプ大統領は10月にオーストラリアのアルバニージー首相との会談でレアアース・核心鉱物協力強化に合意した。同月29日にホワイトハウスが公開したファクトシートには韓国のポスコインターナショナルと米リエレメントテクノロジーズが米国内にレアアースの分離・精製・磁石生産を一括処理する垂直統合型複合団地を作るのに協力するという内容が盛り込まれた。
◇中国は開発途上国19カ国と「レアアース同盟」
米国に対抗し中国も勢力結集に乗り出している。レアアースを掲げた供給網連合だ。中国の李強首相は先月23日、南アフリカで行われ主要20カ国(G20)首脳会議で「グリーン鉱物グローバル経済・貿易協力イニシアチブ」の発足を発表した。開発途上国の互恵協力と利益守護に向けた安定した鉱物供給を掲げた中国の宣言に、ナイジェリア、ミャンマー、ジンバブエ、カンボジアなど19カ国と国連工業開発機関(UNIDO)が参加することにした。
ブルームバーグは「中国はイニシアチブを通じてレアアース圧迫ではなくレアアース魅力攻勢を広げたもの」と伝えた。国際協力を強調して西側の「資源武器化」の批判を回避すると同時に、友軍を確保して主要産業で中国が持つ供給網の影響力も維持しようとする戦略という見方だ。
2025/12/03 16:50
https://japanese.joins.com/JArticle/341734