韓国財閥SKグループ会長夫妻の離婚訴訟、1.4兆ウォンの財産分与命じた2審判決を破棄差し戻し

投稿者: | 2025年10月17日

 韓国の財閥グループ「SKグループ」の崔泰源(チェ・テウォン)会長が、妻でアートセンター・ナビの盧素英(ノ・ソヨン)館長に対し、離婚に伴う財産分与で1兆3808億ウォン(約1470億円)を支払うよう命じた離婚訴訟の二審判決が16日、大法院(最高裁判所)で覆された。大法院は主な争点だった「盧泰愚(ノ・テウ)秘密資金」300億ウォンについて、「出どころが賄賂である違法資金なので、離婚財産分与の(妻の)貢献とは認められない」と述べた。盧素英館長は故・盧泰愚(ノ・テウ)元大統領の長女だ。

 大法院第1部(主審:徐慶桓〈ソ・ギョンファン〉大法院判事)は同日、崔泰源会長と盧素英館長の離婚訴訟上告審で、原審判決のうち、盧素英館長の財産分与請求部分を破棄し、ソウル高裁に差し戻した。ソウル高裁控訴審裁判部は昨年5月、崔泰源会長と盧素英館長夫妻の共同財産を約4兆ウォンと算定し、このうち35%を盧素英館長に支払わなければならないとの判決を下した。1990年代、盧素英館長の父親である故・盧泰愚元大統領の秘密資金300億ウォンがSKグループに流れて成長の足掛かりとなり、崔泰源会長が現在保有しているSK株式会社の株の価値が上がるのに大きな役割を果たした点などを考慮した。

 しかし、大法院はSKが盧泰愚元大統領の秘密資金を受け取ったとしても、これは元大統領が在職した時期に受け取った賄賂を出どころとする資金なので、「法的な保護価値がなく、離婚財産分与において盧素英館長の貢献だと考慮してはならない」と述べた。その上で、原審が定めた「65対35」という財産分与割合を算定し直すよう言った。秘密資金の貢献度のためにSK株など全財産の分与割合があまりにも多く認められているという意味だ。このため、崔泰源会長が支払わなければならない財産分与の金額は、破棄差し戻し審を経てかなり減るものとみられる。

 この日の判決で、崔泰源会長と盧素英館長夫妻の離婚は確定した。また、韓国の離婚訴訟史上最高額の慰謝料20億ウォンも合わせて確定した。SK側は「『SKグループは盧泰愚政権の違法秘密資金や支援によって成長した』という控訴審判決は明らかに間違っていると宣言した判決だった」とコメントした。盧素英館長側は見解を明らかにしていない。

キム・ウンギョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

2025/10/17 09:41
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