「密入国の中国船を拿捕せよ」 韓国軍・警察が未明に2時間追跡 /泰安

投稿者: | 2025年10月18日

 今月6日午前1時43分ごろ、韓国西海岸の忠清南道泰安郡沖で小型モーターボートに乗って密入国しようとした中国人8️人が逮捕された。彼らは海岸から200メートルまで接近したが、陸軍海岸監視隊のレーダーに発見された。韓国軍・警察は2時間ほど追跡し、摘発に成功した。一帯には「警戒態勢2級」が発令された。

 泰安海洋警察署などによると、A容疑者(62)ら中国人8人は5日、泰安から約350キロ離れた中国山東省威海市から出航した。モーターボートは全長7メートル、幅3メートルで、船尾に115馬力の日本製エンジンを取り付けてあった。主に近海で釣りをする際に使う船だ。船からは30リットルの燃料タンク6個とミネラルウォーターなどが発見された。彼らは釣り客に偽装するため、釣り竿4本も用意していた。

 A容疑者らは海洋警察の取り調べに対し、「韓国で就職するために密入国を試みた」と供述した。A容疑者ら3人が先にボートを購入して密入国計画を共謀した後、残る5人を勧誘したという。

 A容疑者ら7人は過去に韓国で不法滞在を摘発され、強制送還されたため、再入国ができない状況だった。

 海洋警察は「最近5年間で中国人の海路での密入国手段が『間接上陸』方式から『直接上陸』方式に変わっている」と指摘した。過去には密入国組織を通じ、公海上で韓国貨物船などに乗り移ることが多かったが、最近は直接モーターボートや水上バイクなどで西海(黄海)を渡るケースが多いという。海洋警察関係者は「全地球測位システム(GPS)が広く普及し、モーターの性能が向上した。密入国費用も抑えられるようになった」と話した。海が穏やかな日に中国を出発して時速20キロほどで航行すれば、約20時間後に韓国西海岸に到達する。

 しかし、方向を誤ったり、力尽きたりする危険性もある。海洋警察関係者は「死の危険を覚悟で試みるような行為だ」と話した。海洋警察が過去5年間に摘発した密入国者は54人でうち52人が中国人だ。

 海洋警察関係者によると、中国人はソーシャルメディアで個別に密入国する人を募集しており、1人当たり500万~600万ウォン(約53万4000~64万1000円)を払えばモーターボートに乗ることができるとされる。

 9月8日に済州市翰京面の海岸から密入国した中国人6人は、90馬力のエンジンを搭載したモーターボートを使った。中国江蘇省南通市から出港し440キロを航行。ボートからはGPS装置が発見された。容疑者らは中国人ブローカーに数百万ウォンを払い、ボートに乗ったという。

 それに先立ち、仁川市甕津郡沖では今年3月、30馬力の小型モーターボートに乗って密入国を試みた中国人男女2人が摘発された。2人は山東省栄成市を出発し、234キロの距離を20時間かけて航行した。

泰安(忠清南道)=禹正植(ウ・ジョンシク)記者、仁川=イ・ヒョンジュン記者

2025/10/18 07:00
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