【社説】村山元首相死去、「歴史を直視」する姿勢を受け継ぐべき

投稿者: | 2025年10月20日

 日本が犯した植民地支配と侵略について、謝罪と反省の意向を表明した日本の村山富市元首相が17日、101歳で死去した。同日、「極右」の自民党の高市早苗総裁は、関西を地盤とする「強硬保守」政党の日本維新の会と連合政権を樹立することで合意した。村山元首相の死去と高市政権の登場がほぼ同時に起きたという事実は、不十分ながらも過去の「過ち」を反省しようと努力した日本の「戦争を経験した世代」が、歴史の表舞台から消えたことを示す不吉な兆候のように感じられる。このような困難なときこそ、韓国と日本の両国の良識ある市民は、歴史を直視して未来を志向しようとした村山談話の精神を後世に残すために、心を一つにすべきだ。

 村山元首相死去の一報の後、日本の主要メディアは、故人のさまざまな業績とその現代的な意味を振り返る報道を相次いで行った。朝日新聞と読売新聞は18日、それぞれ社説で、過去の植民地支配と侵略に対して「痛切な反省」と「心からのお詫びの気持ち」の意向を表明した村山談話(「戦後50周年の終戦記念日にあたって」1995年)について、「村山談話は戦後60年の小泉談話、70年の安倍談話、80年の石破所感に引き継がれ、近隣諸国との信頼関係の礎」であり、こんにちに至るまで継承される「日本政府の歴史認識の基盤」になったと強調した。

 ただし、まもなく発足する高市政権がこれを受け継ぐのかどうかについては、懸念を隠さなかった。朝日新聞は談話に対して「繰り返し否定的な考えを示してきた自民党の高市早苗新総裁は、その意義を理解しているのだろうか」と報じ、日本経済新聞は19日、「(日本)国内でも排外主義的な動きが目立つ中、隣国との向き合い方は次期政権でも課題となる」と指摘した。

 故人は生前、ハンギョレのインタビュー(2015年7月8日)で、周辺の反対を押し切り談話を出した理由について、「日本が過去の問題を確実に清算し、韓国や中国から信頼される国家になる必要がある」として、「間違ったことは間違ったと謝罪して、今後はそういうことがないよう平和のために努力するという決議を表明」したものだと述べた。全世界が極右化の熱風にさらされている今こそ、自らの過ちを虚心坦懐に認め、寛容の精神でそれをあたたかく受け入れる談話の精神を復活させなければならない。両国の市民の力で、偏狭なナショナリズムと無責任なポピュリズムに流されない真の韓国と日本の友好の基盤を築いてほしい。

2025/10/19 18:41
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/54501.html

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